「えんのある家」上棟 川寺にモデルハウス 三協建設

モデルハウス「えんのある家」の模型

 飯能市落合にある三協建設(大津英輝社長)は現在、川寺に同社の集大成ともいえるモデルハウス「えんのある家」を建設中だ。設計はDON工房(阿佐ヶ谷)の大野正博さん。

 「あつらえる愉しみをみつけよう」をキャッチコピーに掲げ、家族や友人、地域まで含めた皆が心から楽しめ、コミュニティが保てる家となることを目指している。大津社長は「色々なご縁が生まれる空間になれば」と期待を込める。

 同社が提案する家づくりのコンセプトは、洗いざらしの木綿のシャツを羽織るような心地よい空間を持つ「キゴコチのいい家」。住まいを服作りのプロセスに例え、まずは設計カードを基にボリュームと機能を決めるため聴き取りを行い「採寸」を行う。

 長く住み続けたいその想いをデザインする「型紙作成」をし、デザインをかたちづくる「裁断」を行い、平面から立体へ。住まい方を整理しディテールを決める「くせ取り」の後、素材を決め、金額を決める「縫製」を行うことでそれぞれに合った快適さを追求している。

 新モデルハウスは、木造2階建ての約166平方メートル。土台、柱、梁は100%西川材を使用している。断熱性能を高めることで冬暖かく、夏涼しい家であるのはもちろん、暮らしを「愉しむ」ことが出来る家となっており、雨の日でも心地よく過ごせるのが特徴。

 自給自足を重んじ、自然エネルギーとして太陽光を活用するOMクワトロソーラーで発電、貯湯、床暖房、換気を賄っていることから、災害時には地域コミュニティの拠点としても活用可能だ。

 また、土間・テラスなど半戸外空間では、地域の人が集まり、コミュニケーションを取ることが出来るような「井戸端」となるよう期待を込めたほか、リビングには暮らしを豊かにする薪ストーブを設置。同社が提案したい要素を盛り込んだ「ショーケース」として8月に完成予定だ。

 12日には上棟式が行われ、集まった近隣住民や職方などは餅まきやまき銭、餅つきなどを楽しんだ。大津社長は「家づくり通じて様々な思い出をつくって頂きたいと考えており、私たち三協建設は家族で“愉しめる”家づくりを目指している。この家をきっかけに縁が生まれ、さらに縁を繋いでいくような、そんな場所になれば」と話す。

 同社では、2つの自然の恵みを生かしたぬくもりある家づくりを得意としている。1つ目は地元・西川材を使った木の家づくり。「西川材が美しく優れた材であること以上に、飯能の森と山を健全な状態に戻したいという思いがある。森を守り、まちも守る。そして、そこに住まう家族を守ることこそ、私たちの役目だと思う」。

 2つ目はパッシブデザインという家づくりだ。「日本の伝統的古民家と近年の住宅性能との融合が必要と考え、自然エネルギーを活用した“パッシブデザイン”の設計概念を大切にしている。自然に寄り添って暮らすことが、私たちの目指す心地よい家づくりです」と大津社長は語る。

 モデルハウスについての問い合わせは同社974・1751へ。定休日は毎週水曜日と隔週木曜日。