お手柄の市川さん、新井さん 急病ドライバー救う
迅速な119番通報と救命処置により、運転中に意識を失った男性(72)の命を救ったとして、埼玉西部消防局(藤宮直樹消防局長)は飯能市川寺の市川すみ子さん(67)、同市笠縫の新井里沙さんの2人に消防協力者表彰を送った。
表彰式は埼玉西部消防局飯能日高消防署で行われ、藤宮消防局長から表彰状、記念品が贈呈された。
降雪のあった1月18日の午後1時頃、飯能市川寺の路上で、軽自動車を運転していた男性が突然意識を失い縁石に乗り上げた。対向車線を走っていた市川さんはいち早く異変に気付き、車を降りて男性のもとへ。窓を叩いて呼んだが反応がなかったため、すぐに119番通報をした。
一方、新井さんは自宅前の路上で雪かきをしていた際に大きな音を聞き、縁石に乗り上げた車を見つけ現場へ駆けつけた。
市川さんと新井さんは電話口の消防署員の指示に従い、男性の脈や呼吸を確認。どちらも確認できなかったことから、救急隊が到着するまでの約5分間、新井さんがシートを倒して心臓マッサージを行った。
その後、男性は搬送先の病院で意識を回復。埼玉西部消防局は2人の迅速な行動が男性の命を救ったとして、飯能日高消防署に2人を招き表彰状を贈った。
表彰状を手渡した藤宮消防局長は「目の前に急病人やけが人がいても、手を差し伸べる人はなかなか少ない。お2人は温かな心を持ち、人命救助に一生懸命取り組んで頂いた」と感謝を述べた。
2人が再会したのは現場以来という。市川さんは「現場で男性を見た時には助からないかも知れないと思ったが、意識が戻ったと聞き、本当に良かった。自分だけでは何もできなかったので、近くに新井さんがいて心強かった」。
2月中にも飯能署から感謝状贈呈を受けた新井さんは南高麗中学校の臨時教諭を務めており、「教習所や教員研修で教わった心肺蘇生法が役立った。時間が経過し、助かって良かったとの実感が湧いた。子どもたちにも困っている人に手を差し伸べることができるよう、伝えていきたい」と話している。