奥むさし飯能観光協会 新会長に中里忠夫氏 観光庁「地域DMO」正式登録

挨拶する新会長の中里氏

 (一社)奥むさし飯能観光協会の令和4年度通常総会が7日、ヘリテイジ飯能で開かれ、令和3年度事業報告・同決算、役員改選、令和4年度事業計画・同収支予算の3議案が可決された。

 任期満了に伴う役員改選により、古島照夫氏(入間漁業協同組合)が会長職を退任、新会長に中里忠夫氏(中央ギフト商事)が就任した。

 同協会は市や関係者と協力して市全域の観光地域づくりを進めるため、今年1月に観光庁の観光地域づくり登録法人(地域DMO)に申請し、3月28日付で正式登録された。

 昨年度、観光協会は、①観光地域づくり法人(DMO)本登録②周遊型集客イベント③森林文化系おとな旅・エコツアー④地域に根差した新商品の開発などの事業を実施。

 ①では、明確な戦略の策定に向け各種データの収集・分析に取り組み、重要業績成果指標(KPI)を把握するため、宿泊施設への利用者数の調査、来訪者へのWEBアンケートによる分析、SDGsの視点を取り入れた事業計画などを行い、②③④などの事業の成果をまとめ、1月21日に観光庁へ地域DMOの申請を行い、3月28日付で正式登録された。

 DMO法人とは、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに、地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりのかじ取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、この戦略を実施するための調整機能を備えた法人のこと(観光庁)。DMO法人の登録により、誘客、宿泊施設の環境整備、インバウンド対策、プロモーションなど関係省庁からの支援が受けられる。

 ②については、「春の飯能をめぐるスタンプラリー」(3月25日~5月10日)、「ヤマノススメNextSummitようこそ飯能スタンプラリー」(10月22日~11月22日)、「飯能・越生をめぐる平九郎スタンプラリー」(11月1日~1月31日)、「GO!埼玉 アニメの舞台を巡ろうスタンプラリー」(11月3日~12月2日)、霊峰二山飯能七福神会と連携した寺社巡り(1月8日~通年)などを開催。

 ③については、歴史入門「渋沢一族が要となった飯能戦争の地を巡る」(エコツアー)を4月23日、つくば大学「飯能まちなか巡りツアー」(エコツアー)を11月13日、「山歩きツアー伊豆ヶ岳」を11月14日、「奥武蔵の古刹を訪ねるみち 竹寺から子ノ権現・伊豆ヶ岳」(エコツアー)を11月18日、「山歩きツアーはじめての地図読み 天覧山&多峯主山」を12月4日、「イケメンすぎる幕末の士“渋沢平九郎”を堪能する一日」(エコツアー)を12月11日に開催した。

 ④については、自主開発商品として、「渋沢平九郎手拭」「西川材製・山キーホルダー」「飯能炭次郎」、連携開発品として「天覧山振武」「平九郎まんじゅう」「平九郎エコバッグ」の販売などを行った。

 飯能観光案内所の来所者は1万5134人で前年比2945人増、飯能駅観光案内所の来所者数は2万3422人で前年比4131人増、委託販売については877万2667円と前年度比191万7967円増といずれも大幅に増加したが、コロナ禍前には及んでいないとした。

 今年度は、地域DMO本登録に伴い、KPI達成の達成のため戦略を立て各事業に取り組み、結果を検証・改善していくなどとし、①広報宣伝事業②観光資源の磨き上げ事業③観光戦略と整合性に関する調整事業④重要業績評価指標(KPI)の設定と資料収集分析事業⑤財政基盤強化に関する事業⑥関係機関との連携事業──などの事業計画を掲げた。

 観光資源の磨き上げ事業については、▽はんのう森林文化系おとな旅(12回実施)▽飯能河原一部有料化実証事業の継続について関係機関と協議し秩序ある管理運営を目指す▽入間川を会場にちびっこ金魚すくい大会の開催▽三密を避けた事業実施(スタンプラリーなど)▽メッツァ等観光事業者と連携した集客事業▽雛飾り展開催▽自主開発商品の展開▽観光庁の「サステナブルな観光コンテンツ強化モデル事業」の森林活用保全サイクル確立と自走型観光地経営基盤構築の実施──などを行う。

 新会長に就任した中里氏は、「現状はまだまだ大変な状況ではあるが、新役員と力を合わせ、皆様のご協力を頂きながら、飯能の観光振興のため頑張って参りたい」と述べた。

 来賓として新井重治市長、中元太市議会議長、内沼博史県議が出席し、地域DMO登録を祝福するとともに、観光振興への一層の活躍を期待した。

(一社)奥むさし飯能観光協会役員は、次の通り。敬称略。(任期・令和4年4月1日~同6年3月31日)

 ▽会長=中里忠夫(中央ギフト商事)▽副会長=森田美明(森田建設緑化)、川合真吾(大和建設)、吉田久(平栗園)、小槻成克(飯能大通り商店街)、柏木宏泰(名栗温泉大松閣)▽監事=斎藤勇(斎藤電気商会)、田中隆一(木澤屋酒店)

 【以下、常議員】

 赤井恒平(Akinai)、浅見浩士(バーベキュースポットさつき)、天ヶ瀬和弘(天ヶ瀬工業)、新井貞市(白岩渓流園)、五十嵐正則(五十嵐酒造)、井上淳治(きまま工房木楽里)、岡本恒介(KOFKA)、小野まり(埼玉ハンノウ大学)、荒井泰博(休暇村奥武蔵)、合田忠功(ぶな総合企画)、飯島貴(国際興業飯能営業所)、小谷野伸一(小谷野果樹園)、小川正義(新電元工業)、須藤早苗(Office Santa)、小森千亜樹(駿河台大学)、大橋正(西武鉄道)、木村宗一郎(西武バス飯能営業所)、武田一宏(タケショウ)、鶴澤直輝(英国屋)、萩野伸治(能仁寺)、萩原栄理(木紡Kinoca)、駒井敏広(飯能銀座商店街)、和泉由紀夫(飯能ケーブルテレビ)、木崎幸長(飯能商工会議所)、大野弘樹(飯能信用金庫)、加涌章吾(飯能青年会議所)、中久雄(飯能中央通り商店街)、平井純子(里山こらぼ)、平沼庸生(ケニーズ・ファミリー・ビレッジ)、廣田祐子(平栗園)、坂本淳二(ホテルヘリテイジ)、矢代和久(長寿庵)、吉田正人(ブラウズ)