飯能河原一部有料化へ 市、観光協会が実証実験 環境美化、保全本格化

今月21日から有料化ゾーンが設けられる飯能河原

 バーベキューや川遊びを楽しむ人たちから絶大な人気がある飯能河原で、飯能市と奥むさし飯能観光協会は河原主要部の利用を有料化するなどの実証実験を今月21日から開始する。

 飯能河原については、マスクをせずに大声を出しながらバーベキューに興じる利用者らが大勢いたことなどもあり、市は新型コロナ感染防止のため、昨年8月から10月まで河原を閉鎖した経緯がある。飲食の食べ残しが河原に放置されるなど、景観や衛生面での問題も生じていた。

 市と奥むさし飯能観光協会は、自然を体感できる観光エリアとして多くの人たちがやってくる飯能河原とその周辺エリアについて、地域資源としての保全、美課に向けた取り組みを本格化させ、市民が誇りを持てる自然空間として持続的に利用してもらう環境づくりを推進していくことを決定。

 よりよい環境づくりのためには、飯能河原の利用方針を新たに定める必要があることから、策定に向けた取り組みの一環として、実証実験を実施することとなった。

 内容は、利用目的別に河原を6つにゾーニングし、各ゾーンの魅力や環境を維持、充実させる。また、屋外バーベキュースポットとして利用が多い河原主要部の利用を有料化する。

 実証実験の実施期間は、4月21日から5月8日まで。

 ゾーンは、最上流の水道浄水場付近から岩根橋、堰近くまでを川の流れを穏やかに体感できる空間「A・静かな渓流ゾーン」(エコツアー、自然教育等のコンテンツを実施するフィールドとして活用。バーベキューやキャンプ等の利用は禁止)、堰付近については水辺のアクティビティスポットとして指定、使用者が環境に配慮した独自のサービスを提供する「B・リバランタ」。

 その下流の中州については上流側から火気使用を禁止し、小さな子どもも安心して水辺遊びができる「C・親水ゾーン」、割岩橋近くはバーベキューやキャンプ用途に区分けされたスペースを有料で提供する「D・エコBBQゾーン」、左岸側公衆トイレ前のデッキ付近については観光協会が仮設型飲食店などを含め賑わいコンテンツを提供する「E・ステージ広場」と設定した。

 ゾーニングの最下流は、割岩橋から矢颪堰付近までの「F・清流ゾーン」。清流ゾーンは清流の魅力をアクティビティ等を通じて体感できる場所とする。同ゾーンではバーベキューやキャンプはできない。

 このうち、エコBBQゾーンについては、利用できる1日の定員を50グループ(1グループあたり最大6人)とし、利用料として1人1000円(小学生以下は無料)を徴収する。

 利用は予約制とし、奥むさし飯能観光協会がホームページで受け付ける。利用時間は午前9時から午後5時までで、最終入場受付時間は午後2時まで。原則、午後6時以降は閉鎖する。

 エコBBQゾーンの利用者から求めた料金については、奥むさし飯能観光協会や飯能市シルバー人材センターと連携し、流域の環境保全活動や公設トイレの清掃などに充てる考え。

 エコBBQゾーンの利用方法は、奥むさし飯能観光協会のホームページ(https://hanno-tourism.com/)の予約専用フォームに必要事項を入力。ショートメッセージで予約完了のお知らせが届く。利用日当日は、ゾーンの入り口で係員に料金を支払う──という流れ。

 実証については、実施手法の改善等を図りつつ、実証期間終了後も継続する予定という。

 市担当者の話「利用者皆様のご協力と市民による環境美化活動が一体となり、本エリアが利用者、周辺地域にとってかけがえのない空間としていく取り組みとなるように、皆様のご理解を頂けますようお願いいたします」。