飯能看護専門学校で卒業式 患者に寄り添う看護師に
飯能市下加治にある飯能看護専門学校(増島宏徳校長)の令和3年度卒業式がこのほど、同校講堂で執り行われ、准看護科第39回生49人、高等看護科第35回生34人の計83人が学び舎を巣立った。
式典では卒業生の名前が一人ずつ呼ばれ、代表して准看護科の崔利賢さん、高等看護科の赤坂彩さんが増島校長から卒業証書を受け取った。
優れた成績を修めるなどした学生へ、学校長賞、埼玉県医師会長賞、飯能地区医師会長賞などが贈られた。
増島校長は「今年の卒業生は、2年前に入学した時から卒業するまで新型コロナ感染症の流行禍にあり、皆さんは大変ご苦労されたと思う。この2年間、コロナはデルタやオミクロンと形を変えて襲ってきた。入院された方々が退院する時には、医療関係者、特に看護師の皆さんに感謝の言葉を述べられる。看護師さんの優しい言葉や傾聴する態度が心に残ると思う。卒業後は、ぜひ優しい看護師さんになって欲しい」とエールを贈った。
卒業生を代表し、准看護科の中野麻美さんは「私は1年生の最初の授業で教わった事を、今でもよく覚えている。その先生は、看護は手から伝わると教えて下さった。その時は、その意味は漠然としていたが、学内実習で患者役を重ねるうちに、その意味が分かるようになった。私たちが患者さんに触れると、私たちが不安な事も、その患者さんを大切に思っている事も、何か他の事を考えている事も患者さんには伝わっているという事。この学びから、私は一人の人間として患者さんとしっかり向き合い、看護を行いたいと考えるようになった」。
「私たちは4月からそれぞれの道を歩むが、看護について学び続け、患者さんやその家族の思いに心を寄せて援助が出来るよう努力していく」と誓った。
高等看護科の阿部麻美さんは「新型コロナの感染拡大により約2か月間自宅学習となり、不安な日々を過ごした。緊急事態宣言が明け、新しい仲間と出会い講義が始まると、授業やテストと並行して行わなければならない多くの課題に途方にくれた事もあった。しかし、日に日に仲間との絆も生まれ、何度も励まされ助けられた。私たちが今ここにいられるのは、時に厳しく看護の道を導いて下さった指導者の方や先生方、優しく見守って下さった学校の職員の皆様のおかげ」と感謝。
「協力や応援してくれた家族、職場の方々たくさんの人に支えられて、卒業を迎えることが出来た」と語り、「患者様の人生のひと時に関わらせて頂ける事に感謝し、看護師になると誓った初心を忘れずに日々成長していけるように努力を惜しまず、学んでいきたい」と決意を述べた。