シラコバト賞の高萩囃子保存会 市長に受賞報告
日高市高萩地区に伝わる祭囃子を伝承する高萩囃子保存会(大倉邦生会長)が、埼玉県の令和3年度「シラコバト賞」を受賞し、このほど谷ケ﨑照雄市長に受賞を報告した。
高萩囃子は明治時代中期に所沢から伝わったとされ、神田囃子の流れを組む速いテンポと力強さが特徴。同保存会は、武蔵高萩駅前さくらまつり、夏祭り、市民まつりでの演奏をはじめ、高萩小学校で囃子の体験授業などの活動を行っている。
かつて宿場町として栄えた高萩地区では、八雲神社の天王祭りに合わせて囃子が奉納され、宿通りを山車や神輿が練り歩き、沿道には露店が数多く並ぶなど賑わいを見せた。
しかし、道路事情等により衰退し、昭和40年代に神輿や山車の引き回しが中止となり、高萩囃子の音色も次第に消えた。
その後、平成5年に公民館で伝承講座が開かれたのをきっかけに囃子が復活。平成18年からは高萩囃子保存会が主体となって地区内で夏祭りを開催するようになり、同22年に国道407号バイパスが完成してからは旧道周辺の交通量が緩和されたため、道路での山車の引き回しを再開。軽快な祭囃子の音色と山車の勇壮な姿で沿道の住民を楽しませてきた。
また、高萩小の社会科授業に協力し、囃子の演奏や体験などの活動も行っており、伝統芸能の伝承と保存、後継者の育成といった取り組みが認められ、平成30年度に市コミュニティ協議会の「かわせみ賞」を受賞。
今回、地元区長、市コミュニティ協議会の推薦を経て県のシラコバト賞を受賞した。
昨年、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、出演していた祭りは全て中止となってしまったが、囃子の演奏動画を撮影してインターネットで公開するなどの取り組みを進めている。
保存会の大倉会長は「コロナの影響で昨年、今年と祭りが中止となり、子どもたちの意欲の低下が心配されたが、動画の配信などの新たな取り組みも進めている。今回の受賞は、これまでの活動を評価して頂き、会員の励みになる」と話す。
大倉会長と地元選出の山田一繁議員が日高市役所を訪ね、谷ケ﨑市長に受賞を報告。市長は「私も今回の受賞を大変嬉しく思う。高萩囃子保存会の皆さんは特に、子どもたちに伝統芸能を教えて頂いている。これからも大勢の子どもたちに地域の文化に触れる機会を提供して頂けるよう期待している」と称えた。