日本記録更新めざし 三段跳びの池畠さん(聖望高出身)
聖望学園高校の卒業生で、飯能市立美杉台中学校の学習支援員や駿河台大学陸上部の跳躍コーチを務めながら、三段跳びの選手としても活躍している池畠旭佳瑠(ひかる)さん(26)。
自己ベスト記録の16メートル75は、日本歴代9位の成績だ。池畠さんが目指すのは、日本記録17メートル15を超えること。「適した努力を当たり前に続ける」という思いから「適当」を座右の銘に掲げ、日本記録更新を目標に、日々練習に取り組んでいる。
三段跳びは、助走をつけて跳ぶところは走り幅跳びと同じだが、助走の後にホップ・ステップ・ジャンプという3回のジャンプを行う。計測方法は走り幅跳びと同じで、踏切板から砂場に残った痕跡のうち、踏切板に最も近い場所までの距離となる。
池畠さんが三段跳びに取り組み始めたのは、聖望高校に入学した年の7月から。もともと体を動かすことが好きだったことから、地元・川越の中学在籍時に陸上部に所属し、走り幅跳びに取り組んでいた。
池畠さんが練習している姿を、同高校陸上部の橋本啓司監督が偶然目にし、素質を見抜かれスカウトされた。
高校入学後は橋本監督の元で基礎から学び直し、2年生の時にインターハイで決勝へ進出、全国大会では5位に入賞するなど順調に実力をつけていった。
3年生になるとインターハイで準優勝、国体では4位入賞などの活躍を見せ、東海大学の体育学部競技スポーツ学科へ進学。3・4年生の時に4位、学生個人選手権で8位、日本選手権で9位の成績を収めた。
大学を卒業し、2017年4月から駿大陸上部の跳躍コーチ、翌年4月からは美杉台中の学習支援員に就任。学生や生徒たちに教えることが、自身の学びになり、競技力向上に繋がっているという。
今年6月末、日本選手権が大阪で開催された。昨年の同大会では、16メートル54で優勝していることから今大会での活躍も注目されていたが、今年3月下旬、競技中にケガをしてしまったため本調子で臨めず、15メートル96で3位という不本意な結果に。
9月に開催される全日本実業団対抗陸上競技選手権大会への出場を予定しており、現在は同大会へ向けて練習に励んでいる。「昨年優勝することが出来たので、2連覇を目指すのはもちろん、自己ベストを、そして日本記録を更新したい」と意気込む。
中学校の生徒や駿大陸上部の学生たちには、「第一線で活躍する姿を見せるのはもちろん、自分が見てきたもの、経験したことを伝え、一人ひとりがベストを出せるよう親身になってサポートしていきたい」と語る。
美杉台中の斉藤国明校長は「私は、一流に触れる・本物に触れるということをとても大事にしている。一流で活躍する池畠さんが、これだけ生徒の近くにいるというありがたさやその重みに感謝している。日本のトップアスリートでありながらも謙虚であり、いつも生徒たちに寄り添ってくれているその人柄が素晴らしい」と話している。