レジェンド棋士の羽生さん 「AI時代の未来」語る
一般社団法人所沢法人会の定期総会記念公開講演会が先月27日、ヘリテイジ飯能で開催され、棋士の羽生善治さんが「AI時代の未来」をテーマに講演を行った。
将棋界のレジェンドとして知られる羽生さんの講演を聞けるチャンスとあって、事前申込を行った多くの市民が会場へ足を運び、熱心に耳を傾けた。
将棋界での活躍を誰もが知る羽生さんは所沢市出身。講演では、将棋の世界でも浸透しているAI(人工知能)に焦点を当て、膨大な対局データを読み込ませて作られた初期のAIから、基本的なルールを教えて自己対局を繰り返すことで勝つ可能性の高い手を自力で学んでいくAIの登場など、驚異的な進化を見せるAIの世界を紹介。
自身の経験から得た考察を交えながらAIと人間の違いなどを語り、将棋では直観、先読み、大局観で局面を捉え、総合的に判断するなど人間の選択には感情や一貫性、方針を感じさせるのに対して、AIは一手一手の評価の高いものを選択するため一貫性といったものは見えない。だが、最近では人間のような思考を感じさせるAIも登場しつつあり、AIをうまく活用することで、人間が創造性や発想の幅を広げていくことが大切、などと語った。
同法人会は、正しい税知識の普及啓発や企業発展などを目的に飯能、入間、狭山、所沢の事業者代表などで組織され、自治体への税に対する提言、児童生徒を対象とした租税教育や税に関する作文、絵はがきコンクールの実施、著名な講師を迎えさまざまなテーマの公開講演会などを開催している。