南高麗地区で移動サービス 民間老人保健施設の送迎車両活用

協定書を手にする大久保市長と小室理事長

 飯能市の南高麗地区で、介護老人保健施設の送迎車両を活用した新たな移動サービスがスタートする。路線バスの運行がない日中の時間帯の住民の移動手段を確保するため、医療法人徳明会(小室舜一理事長)が同地区内で運営する老人保健施設「飯能リハビリ館」(下畑)の送迎車両を使い社会貢献事業として実施するもの。

 先月30日に飯能市役所で市と徳明会による協定調印式が行われ、大久保勝市長と小室理事長が協定書にサインを交わした。

 市生活安全課交通政策室によると、現在、南高麗地区は国際興業バスが1日5便の運行を行っているが、地区住民の移動手段の確保には不十分な状況、特に日中の午前9時台から午後3時台にかけての約6時間は路線バスの運行がない「空白時間帯」となっているという。

 そこで、市内で小室クリニック(八幡町)、飯能リハビリ館を運営する医療法人徳明会が、飯能リハビリ館の送迎車両とドライバーを提供し、路線バスが運行していない時間帯に地区住民が利用できる移動サービスを実施することとした。

 送迎車両の空席を活用したサービスは、南高麗地区内に居住し1人で乗降できる人を対象に今月20日にスタートする。以降6か月間を実証運行期間とし、毎週金曜日に1日2往復の運行を行う。

 車両は10人乗りワゴンで後部座席に7人乗車可能。利用料は無料で、運行ルートは国際興業バスの協力を得て、「間野黒指」バス停から地区内の各バス停を経て市街地の小室クリニックまでとした。

 利用者は事前登録制とし、現在、住民への周知と登録受付を行っている。登録者には利用登録証を交付し、市が利用者に対する保険に加入する。

 協定調印式には、大久保市長、大野充市民生活部長徳明会の小室理事長、小室舞理事、飯能リハビリ館の川本匡聡療養課長、椛沢功太療養課長補佐が出席し、大久保市長と小室理事長が協定書にサインを交わした。

 大久保市長は「南高麗地区については、バスの減便により市としても大変苦慮していた。地区住民のために施設の送迎車両を活用して頂けるというのは大変ありがたい」と感謝。

 小室理事長は「おかげさまで飯能リハビリ館も開設から約20年が経過した。住民移送事業に関しては今まで経験のない分野だが、市民のお役に立てるよう努力して参りたい」と述べた。

 移動サービスについての問い合わせは、飯能市生活安全課交通政策室973・2111へ。