飯能市、チーム関東と防災協定 災害時の情報収集にドローン活用
災害時にドローンによる上空からの情報収集を行い、迅速な対応に役立てるため、飯能市はこのほど、設計・測量業務などを行う同市川寺の株式会社チーム関東(関口由吏果社長)と「災害時における無人航空機(ドローン)を活用した被害状況調査等に関する協定」を締結した。
調印式は飯能市役所市長応接室で行われ、大久保勝市長、吉田実危機管理監、井竹信喜危機管理室長、同社の関口修会長、関口栄成専務が出席。調印式後は隣接する富士見小学校校庭に移動し、ドローンのデモ飛行も行われた。
同社は、地形や構造物などを立体的にデータ化する3次元測量などを行うため、ドローン3台を所有。
今回の協定内容は、市内に地震等の災害が発生した場合、市の要請に基づき同社がドローンを用いて映像や画像による被害状況を収集・提供するもの。協定締結にあたっては、市が同社に協力を申し入れ、協議を進めてきた。
調印式で大久保市長は「地震や豪雨などが頻発し、今年も九州をはじめ各地で予期せぬ災害が多発している。いざという時に人の手が足りなくなる状況。市としてもドローンの所有を検討したこともあったが、日頃から操縦や管理をして頂いている方にお願いすることが賢明であり、万一の有事の際には心強い。災害時に我々が入れないような場所についても、ドローンを通じての情報提供や迅速な対応が期待できる」などと述べ、協定締結に感謝。
関口会長は「地球温暖化等の影響により、毎年のように日本のどこかで大雨や地震等の災害が起きている。市内でもし災害が発生した場合には、市の要請により速やかに航空写真等の撮影を行い、その状況等を報告させて頂き、その後の対応に役立つための資料を提供したい。私たちの技術が少しでも市民の安心安全に貢献できればと願っている。一層の技術力の向上に励みたい」などと述べた。
富士見小校庭で行われたデモ飛行では、関口専務がモニターと接続したコントローラーを手にドローンを操縦。航空法により飛行可能な高度は150メートル。
1つのバッテリーで約30分間の飛行が可能といった説明が行われ、大久保市長は上空からの映像が映し出されたモニターを見つめ、「山間部など立ち入りが困難な場所の災害状況を把握するには非常に有効」などと話した。