市長等の給料減額など可決 日高市議会閉会
日高市議会(山田一繁議長)6月定例会は19日閉会し、最終日には一般会計補正予算(第4号、5号)、市長等の給料の減額に関する条例、税条例の一部改正、第6次総合計画基本構想などの採決が行われ、谷ケ﨑照雄市長から提出された全議案を可決した。
また、議員提出議案として、吉本新司議員(新政会)から提出された、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を鑑み7月1日から9月30日まで議員報酬を10%減額する「議会の議員の議員報酬の減額に関する条例」を賛成多数で可決。
田中まどか議員(みんなの会)から提出された国、県に対する「新型コロナウイルス感染症対策の充実を求める意見書」(2案)を賛成少数で否決した。
市長等の給料の減額に関する条例は、新型コロナの影響に鑑み、7月1日から9月30日までの3か月間、市長、副市長、教育長の給料を市長30%、副市長20%、教育長15%減額するもの。
同議案に対しては田中議員が反対討論を行い、また、この給料減額による補正を盛り込んだ一般会計補正予算(第4号)について、同様の理由で田中議員が反対討論、森崎成喜議員(志正会)が賛成討論を行った。
討論の主な内容は次の通り。
▽市長等の給料の減額に関する条例についての反対討論・田中議員
「市民と痛みを分かち合いたいという気持ちは大変尊いものと考えている。近隣市の状況を鑑み、日高市だけ減額しないという訳にもいかないというのも理解できる。しかし、以下の3点の理由で反対する。
1点目、質疑での答弁にもあった通り、減額した分はその性質上、特定の事業には使えず、一般会計に紛れてしまう。減額の総額が151万8000円であることからも、新型コロナウイルス感染症対策にインパクトがあるのか疑問。
2点目、3役の給料を減額するということは当然、3役の所得は減る。では、市内の誰かの所得が増えるかと言ったら誰の所得も増えない。誰の所得も増えないのにまちの経済が良くなる訳はない。151万8000円を消費した方が地域経済に貢献すると考える。
3点目、2月に新型コロナウイルス感染症対策本部を立ち上げて以降、イベントなどの中止、公共施設閉館、学校の臨時休校、そして、市民への支援のための様々な対応、庁内職員の安全対策など、意思決定の重大さは今まで経験したことのない種類のものだったと察する。
幸い本市では感染者が2人から増えてはいないが、今後も市民、児童生徒、職員の安全、生活、学習への対応に気を緩める事の出来ない期間が続くと思われる。この厳しい状況下、重責を担っている市長、副市長、教育長の給料減額は、その仕事量と責任の大きさに見合わない。以上の理由から本議案に反対する」。
▽一般会計補正予算(第4号)についての賛成討論・森崎議員
「この補正予算は、工事設計等、労務単価の見直しに伴い、委託料や工事請負費について増額を行うもののほか、新型コロナウイルス感染症の拡大防止により、臨時休業した学校給食の食材の費用負担について増額を行うもの、市民生活や市内経済への影響を鑑み、市長の給与等について減額を行うもので、必要な補正であると判断し賛成する」。
議会閉会にあたり、谷ケ﨑市長は挨拶の中で新型コロナウイルス感染症対策について報告。
市内では4月20日以降、新規感染者の発生がないことから、「これもひとえに皆様が新型コロナウイルス感染拡大防止として外出自粛、休業、時短営業などの対策をとられ、大変なご努力とご協力の結果であり、心から感謝を申し上げる」などと述べ、一方で治療法が確立されていない中で第2波の発生が懸念されていることから、「再び私たちの生活や社会が深刻なダメージを受けないためにも、密閉、密集、密接の3つの密のある場所を避けて頂くとともに、ソーシャルディスタンスの確保、マスクの着用、手洗いの徹底など感染を予防する“新しい生活様式”が定着するよう呼びかけていく」とした。
また、一部公共施設や小中学校の再開、市主催のイベントの状況などを報告し、イベントについて「特に、毎年、9月中旬から10月上旬にかけて、500万本の真紅の曼珠沙華が咲き、全国から20万人以上の方にお越し頂いている巾着田曼珠沙華まつりについては、お客様や地域住民の方々の安全の確保が困難な状況であるため、日高市商工会、観光協会などと協議し、残念ながら中止を決定した。
今後も、市主催のイベント等については、施設の規模やイベント等の形態を踏まえ、十分な感染予防対策を講ずることを前提に、実施の可否について検討していく」と述べた。