地域限定の旅行業開業へ 飯能まつりでは観光物産市場

 (一社)奥むさし飯能観光協会(古島照夫会長)の通常総会がこのほど、ヘリテイジ飯能で開かれ、夜空を彩る打ち上げ花火や金魚すくいなどで暑さをしのぐ、8月の飯能河原での恒例事業「納涼大会」、11月の飯能まつりでの「観光物産市場」など、令和元年度に実施する各種事業計画などを決めた。新規事業としては、今年度中に地域限定型の旅行業を開業し、ツアーなど旅行商品を販売する。

 総会の議案は、▽平成30年度事業報告及び決算▽令和元年度事業計画(案)及び収支予算(案)の2件。いずれも原案どおり、可決、承認され、総会終了後に懇親会へと移った。

 平成30年度に実施した観光振興に関する主な事業は、春季(3~5月)が飯能春まつり、夏季(6~8月)が納涼大会や飯能観光写真コンテスト、秋季(9~11月)が名栗ふるさと祭りや飯能まつりへの協力、冬季(12~2月)が初日の出、メッツァコーヒーフェスティバルなど。

 このうち、中央公園での飯能春まつりについては、春の飯能を楽しんでもらう内容とするため、30年度から事業名称をそれまでの「飯能さくらまつり」から変更して実施。3月30、31日に地元商店にも出店を仰いだが、「気温も低く、開花も寂しい状態」だった。

 財政基盤強化に関する事業としては、会員の加入勧奨と観光案内所(おみやげショップ夢馬、ぷらっと飯能駅前案内所)の収益アップの2本立てで推進。観光案内所については29年度で約459万2000円だった売上が、30年度は約377万6000円増の約836万8000円になるなど、良好な成績を達成した。

 計上した令和元年度の予算は5211万5000円となり、前年度実績額と比べて約3万円の減。収入の内訳は、全体の5割近くを占める市補助金2450万円、会費320万円、協賛金180万円、販売売上575万円など。

 平成31年度・令和元年度の奥むさし飯能観光協会の事業計画概要は、次のとおり。

 「本市は豊かな自然、歴史、文化など、様々な特色ある資源を数多く有しており、この資源を観光の振興に結び付けていくには、個々の魅力をさらに引き上げると共に、メッツァをはじめ市内全域に点在している観光スポットや施設との相互連携を深め、地域全体の活力向上を目的とした交流人口の増大を推進していきます。

 本市を訪れる観光客を市民一人ひとりが温かくお迎えすることで、気持ちよく滞在していただき、再び訪れたくなるような観光まちづくりを行うと共に、観光客のニーズを的確に捉えて飯能市ならではの魅力づくりに取り組むと共に、それらを広く、かつ効果的に情報発信することが重要と考えます。

 DMO的機能を取り入れ、観光客一人ひとりの消費の拡大、地域全体に循環させ、関係者に稼いでもらう仕組みを構築し、地域が観光によって経済が活性化することを目指します。

 従来の事業に加え、飯能市、飯能商工会議所等各団体、事業所等と連携を密にし、「おもてなし」を大切に稼ぐ観光を構築していきます。

 本年度は、地域限定型の旅行業を開業し、旅行商品を販売すると共に、飯能市と連携し、早期にDMO候補法人の申請を行います」。