逮捕職員を懲戒免職処分 死亡男性のクレカ不正使用

 日高市は、市の業務で扱った死亡男性のクレジットカードを不正に使用したとして今年8月30日に逮捕、9月19日に再逮捕された同市教育委員会教育部生涯学習課主査の中村裕之容疑者(47)=狭山市広瀬東=を今月10日付で懲戒免職処分とした。

 中村容疑者は、昨年8月に日高市内のドラッグストアで、業務で取り扱った死亡男性名義のクレジットカードを不正に使用し、名義人になりすまして歯ブラシなど4点を購入、計2749円を騙し取ったとして、今年8月30日に詐欺の容疑で逮捕された。

 その後の調べで、昨年4月から7月までの間に計6回、日高市内のドラッグストアで同様に飲料や日用品など計26点を購入、1万2705円分を騙し取ったとして9月19日に再逮捕されている。

 同容疑者は、社会福祉課に勤務していた平成28年11月に市内で身寄りのない男性が死亡した際、遺体や遺品を引き取る業務を担当。遺品を整理する際に男性のクレジットカードを不正に所持し、使用したと見られる。不正使用された男性名義のクレジットカードは2枚あり、昨年1月から8月にかけて計207件、約200万円分が使われていた。

 また、事件を受け市が同容疑者の担当業務について内部調査を行ったところ、同容疑者が会計事務を担当していた日高かわせみの里ツーデーウオーク実行委員会と日高市体育協会の2団体の会計口座から計610万3083円の使途不明な出金があり、市が飯能署へ被害届を提出。同容疑者の関与について調べが進んでいる。

 市は同容疑者の懲戒免職処分について「全体の奉仕者として法を守り、高い廉潔性を求められる市職員にふさわしくない極めて卑劣な行為であり、市民の信頼を裏切り、市職員全体の名誉と信用を失墜させるもの」として、地方公務員法、日高市職員の懲戒処分に関する指針に基づき処分を決めたとしている。

 また、管理監督者の処分として、当時の上司(社会福祉課長)だった健康推進部長を懲戒戒告処分とし、社会福祉課主幹に厳重注意を行った。