自家栽培の大豆で味噌・豆腐 多機能型事業所に併設「こだわりや」
障害者の社会参加や就労の場を支援する日高市のNPO法人「ぶどうの樹」(相澤美智子代表)が運営する多機能型事業所(生活介護・就労継続支援B型)「ぶどうの実」がこのほど、同市高萩に開所し、自ら生産した大豆を使って製造した味噌や豆腐を販売する店舗「こだわりや」がオープンした。利用者が手掛けた味噌や豆腐は店名の通り、安心・安全、品質にこだわった手作りの味として利用客の評判を呼んでいる。
ぶどうの樹は、ハンディキャップを持つ人たちが地域の中で働き、いきいきと暮らしていける環境を築くことを目的に平成14年、養護学校に通う子の保護者らによりに発足。15年にNPO法人認可を取得し、女影でブルーベリーや大豆・野菜の栽培、ジャムや味噌づくりを行う「花・花」、鹿山で手づくり工芸品やリサイクル品を販売する「色・色」などを運営してきた。
同法人の発足から15年を経て高萩の県道川越日高線沿いに開所したぶどうの実は、多機能型事業所として新築された木造地上2階建て、延床面積556平方メートルの建物。同法人の活動拠点として、「花・花」で自家栽培する大豆を使った味噌・豆腐製造に本格的に取り組むとともに、「色・色」の手作り品製作などの機能を移転した。
「ぶどうの実」に併設する店舗「こだわりや」では、味噌、豆腐に加え、豆乳や豆乳プリン、おからドーナッツ、弁当、ブルーベリージャム(季節限定)、手作り工芸品などを販売。店内に休憩スペースも設けられ、コーヒーや紅茶も提供している。
主力商品の味噌・豆腐には、自前の農園で無農薬栽培した在来種の大豆を丁寧に選別して使用。製造に欠かせない水にもこだわり、イオンや塩類などの不純物を透過しない高い濾過機能を持つ逆浸透膜浄水器を採用した。味噌は塩分を控えめにし、米麹と合わせ10か月かけて熟成させ、豆腐は専用の厨房で仕込み、大豆本来のコクと甘味を感じられるなめらかな食感に仕上げた。
利用者たちが栽培、製造、販売と全ての行程に関わり、3月から本格的に販売を開始。「豆の甘さが感じられる」「なめらかでコクがある」など利用客の評判は上々という。
念願の拠点施設を構え、代表の相澤さんは「多くの方の協力を頂きながら、15年かけて障害を持つ人たちの希望につながる土台ができた。安心安全、高品質の商品づくりを通して利用者が働く喜びを知り、笑顔が広がる施設になれば」と話している。
味噌は300グラム入り300円、500グラム入り500円、木綿豆腐280円、寄せ豆腐250円(いずれも税別)。
営業時間は午前10時から午後5時まで。日・月曜定休。問い合わせは985・7105へ。