「市の魅力上げPRを」 人口対策へ継続的な取り組み
日高市は、市の人口対策に関する検討や平成30年度に取り組む関連事業について、20日の市議会全員協議会で報告した。市の人口は平成23年の5万7865人を境に減少。市によると、人口対策として平成27年度に「日高市まち・ひと・しごと創成総合戦略」を策定し、計画した事業に取り組んでいるが、平成30年1月1日現在の人口は5万6222人と前年比260人、0・46%減少。「将来を見据えた人口対策への取り組みの継続が重要」とし、新年度事業のうち、子育て、教育、定住促進など人口対策に関わる事業として、子育て総合支援センターの開設、受験を控える中学3年生を対象とした英語検定やインフルエンザ予防接種の支援、シティプロモーションの実施などを挙げた。
市は人口対策の取り組みを進めるにあたり、昨年4月に「転入転出者アンケート」として、平成28年中の市への転入者、市からの転出者の中から50歳未満各400人を無作為抽出し、転入出の理由やきっかけなどを調査。
同時に職員研修として、国で活用を推奨している地域経済分析システムの活用や人口問題に関する研修を実施。その後、「人口減少に効果的な新たな事業」を課題に職員から提案を募集し、提案のあった42事業の内容について各課で検討や見直しを行った。
5月には課長級以上の職員を委員とした内部委員会を設置し、人口対策事業を検討。月2回程度の会議を開き、職員から提案のあった事業と委員からの提案事業の内容を協議し、9月に谷ケ﨑照雄市長に成果報告書を提出した。
こうした経緯を踏まえ、市は「人口対策に特効薬はないことを改めて認識し、事業全体をバランス良く継続的に取り組むことで日高市の魅力を挙げ、対外的にPRするなど引き続き人口対策に取り組む」として、「誰もが住みたい住み続けたくなるまち日高をめざして」をテーマに、新年度に新規や継続して取り組む人口対策事業を挙げた。
主な人口対策に関する事業としては、子育て関連では、新規事業として総合福祉センター内に子育て支援の拠点となる「子育て支援センター」の開設、継続事業としては、第3子以降の子どもが生まれた世帯に育児用品を支給する「他子世帯育児用品の支給」、子どもを望む夫婦に対する不妊治療費・検査費用の助成、子どもに必要な医療を安心して受けることができるよう支援する「中学生までの医療費無料」、子どもや「ママ友」の交流を支援する「地域交流ひろば」の設置。
教育分野では、新規事業として、公立中学校に通う3年生を対象に英語検定の実施、進路選択する中学3年生へのインフルエンザ予防接種費用の全額支援、継続事業として小学4年生以上の希望者に土曜授業日の午後に公民館等で学習会を開く「日高塾」の実施、児童生徒を対象とした自転車用ヘルメット購入の支援や着用促進。
定住促進や住環境の向上に関しては、新規事業として市の魅力を伝えるためのプロモーション動画を制作しPRする「シティプロモーション」の実施、継続事業として高麗郷一帯を自然体験、歴史学習、健康増進の機会を提供する場としてPRする「遠足の聖地プロジェクト」の実施、空き家・空き地バンク運営を通じて空き家等の有効活用を促す空き家対策の推進、市内に住む親世帯との同居・近居を行う子世帯の住宅取得費を最大100万円支援する「同居近居促進事業」、新婚世帯が市内を転入した際の引越費用の一部を支援する「新婚ウエルカム住まいる事業」、結婚を希望する人を応援するための婚活イベントの開催など。
また、人口減少に対応し、生活機能を確保しながら安心して暮らすことのできるコンパクトなまちづくりを進める「コンパクトシティプラスネットワーク」を実現するための計画策定を進めるとしている。