飯能で「まちエネ大学」開講 全国5会場の一つに選定
地域資源を生かした再生可能エネルギーの事業化を目的にした、経済産業省主催の講座「まちエネ大学」が、11月から来年2月までの計4回にわたり、飯能市内で開講されることになった。まちエネ大学は、再生可能エネルギー事業を始めるために必要な知識などをプロから学ぶスクール。各地からの申請に基づき選ばれた全国5地域で毎年実施されており、飯能スクールについては飯能の地域エネルギーを考える「飯能木質バイオマスエネルギー協議会」(山田直行会長)が応募し、開講地に適していると採択された。埼玉県での開催は初めて。
飯能スクールの講座内容は、第1回11月18日「地域を知り、再エネビジネスの基礎を学ぼう」(会場・飯能信用金庫飯能中央支店別館)、第2回12月9日「地域協働型による再エネビジネスのつくり方」(会場・駿河台大学)、第3回平成30年1月13日「再エネビジネスプランを具体化させる」(会場・飯能信用金庫飯能中央支店別館)、第4回2月24日「再エネビジネスプラン発表会」(同)。
時間は、いずれも午後1時から4時まで。3回までの講座で再生可能エネルギー事業に取り組むために必要な基礎知識、資金調達方法、事業リスクなどを各分野の専門家から学ぶ。最終回では再生可能エネルギーのビジネスプランについて、受講者が発表し、再エネや地域づくり専門家、金融機関の審査を受ける。
受講対象者は、地域での再生可能エネルギー事業を検討していて、全4回の講座すべてに参加できる人。費用は、全4回のテキスト代として1000円。
まちエネ大学は、平成25年度から毎年開催されており、過去4年間で全国23か所で700人以上が受講、90以上の事業プランが生まれ、地域に根差した再生可能エネルギー事業が実際に展開されている。岐阜県郡上市白鳥町石徹白地区での収益を地域に還元する小水力発電、岡山県西粟倉村の薪を使うバイオマスボイラーなどは、その一例だ。
官民連携での再生可能エネルギーの普及促進を目的にしたまちエネ大学を、飯能スクールとして誘致に成功した飯能木質バイオマスエネルギー協議会は、今年5月の発足。飯能地方での木質バイオマスエネルギー等の再生可能エネルギー事業の推進を目的に、名栗カヌー工房、自由の森学園、駿河台大学、飯能信用金庫、飯能市役所、西川広域森林組合、はんのう市民環境会議などから約30人が集まっている。
今回、まちエネ大学開催地として飯能市のほか、青森県青森市、広島県福山市、徳島県徳島市、大分県竹田市が選定された。
まちエネ大学の応募動機について、飯能木質バイオマスエネルギー協議会事務局長の鴇田節男さん(69)は、「日本の里山地域には有効利用されていない間伐材や製材で出た端材がある。一方、日本のエネルギーはほどんど海外から購入している。僅かでも自国の資源を活用したエネルギーを使うことにより地球温暖化対策、地域循環経済につながる取り組みになればと考え、応募した」と話し、「最終的には、地域の木材を活用した木質バイオマスを産業化したい。発電するとお湯も出来るので、さわらびの湯や学校、旅館などにも使える」と期待を膨らませる。
問い合わせは、「まちエネ大学」が同事務局の宮城さん(050・3735・8600)、「飯能木質バイオマスエネルギー協議会」については、同会事務局長の鴇田さん(090・2429・8060)へ。