放置自転車、一転増加へ 自転車等駐対協が会合
飯能市自転車等放置防止条例に基づき設置されている、同市自転車等駐車対策協議会が12日、本庁舎別館で開かれ、飯能駅南北口や東飯能駅東西口周辺に指定されている「放置自転車等禁止区域」などからの放置自転車の撤去移送状況などについて、担当部局の生活安全課から説明を受けた。市街地を中心とした放置自転車の撤去台数については、平成24年度から年々減少していたが、28年度は増加に転じている。
飯能市自転車等放置防止条例は、公共の場所等における自転車等の放置による市民の生活環境の障害を防止するため、平成8年3月に施行された。
放置自転車を発生させないための市、自転車利用者、鉄道事業者、スーパーや遊技場など施設設置者の4者の責務を定めるとともに、自転車等が大量に放置されるおそれがある公共の場所等について、放置禁止区域に指定することができるなどの規定が盛り込まれている。現在、市内では飯能駅南北口周辺と東飯能駅西口駅前周辺の63・3ヘクタール、東飯能駅東口周辺の23・4ヘクタール、元加治駅周辺の3・5ヘクタール、合計90・2ヘクタールが、この自転車等放置禁止区域に指定されている。
自転車等駐車対策協議会は、同条例の規定に基づいて、自転車等の駐車対策に関する重要事項を調査審議するため設置された地域住民や関係機関代表10人による組織。大久保市長が放置禁止区域を指定しようとする時、同協議会は市長に対して意見具申する。
今会合の議題は、①会長選出②自転車対策の現状③放置自転車クリーンキャンペーンの開催など。会長選出については、出席委員からの推薦により、飯能銀座商店街女性部に所属する地域住民代表区分委員の滝澤真紀さんが満場一致で選出された。滝澤さんは「不慣れだが、精一杯務めさせて頂く」と挨拶、議事を進行した。
自転車対策の現状について、生活安全課職員が説明。それによると、平成28年度の放置自転車等禁止区域内と、区域外(警察等の要請による撤去)からの放置自転車撤去移送台数は合計408台。24年度の636台をピークに、25年度538台、26年度453台、27年度326台と右肩下がりだった放置自転車だが、28年度については増加に転じ、今後に不安が残る結果となった。
撤去移送台数の増加は、所有者に返還される数にも比例し、27年度137台だった返還数は、28年度には236台と激増した。
放置自転車等禁止区域外からの撤去については、警察等からの要請によるものが多く、地区では阿須、双柳などが著しいという。こうした自転車について、市生活安全課は「盗難自転車が乗り捨てられたもの」と見る。
禁止区域内に放置された自転車については、車体への警告文書の貼付後、その場から撤去され、下加治自転車保管所へと移送される。9月30日現在、下加治自転車保管所には、114台の自転車と6台の原付バイクが保管されている。
放置自転車は、通勤・通学・買い物客らで混雑する市玄関口の飯能駅北口周辺で依然として目立ち、28年度についても同様に多発した。こうしたこともあり、放置自転車クリーンキャンペーンについては、17日朝に飯能駅で実施された。
放置自転車等についての問い合わせは、飯能市生活安全課(973・2111)へ。