インターハイ優勝を祝福 女子砲丸投げ・大野史佳選手(原市場中出身)

優勝を決め、会場となった山形県の伝統工芸品の王将の駒を手に笑顔を見せる大野選手

 飯能市原市場在住で、西武台高校(新座市)に通う大野史佳選手(2年生)が、山形県のNDソフトスタジアム山形で行われた高校総体(インターハイ)「全国高等学校陸上競技対校選手権大会」(7月29日~8月2日)の女子砲丸投げに出場し、14メートル83の自己ベストを記録し優勝した。このほど、市役所1階ロビーで優勝報告会が行われ、大勢の市民や職員から祝福の拍手を受けた大野選手は「皆さんの応援が力となって優勝を掴むことができた。来年の2連覇、2020年の東京五輪出場を目指して頑張りたい」と語った。

 大野選手は中学1年生から競技に取り組むようになり、めきめきと上達。3年生の時には、全国中学校陸上競技大会で優勝し、日本一の称号を手にした。

 西武台高校に進学後、期待を背負う中臨んだ昨年のインターハイでは、決勝に残るも、予選より記録を落とし10位という悔しい結果に。今年3月には右足の薬指と小指の間の付け根を疲労骨折。4週間練習禁止を言い渡された。その間も右足に負担を掛けないよう椅子に座りながら投げる練習を行った。

 その後復調を遂げ、5月の学校総体県大会(インターハイの出場権を取る大会)では、14メートル42で自己ベストを更新。6月には日本選手権にも出場を果たした。

 今回のインターハイで60人以上が参加する中、大野選手は全選手中、唯一14メートル台となる自己ベストの14メートル42を投げ決勝進出。

 13人で争われた決勝でも、大野選手は1投目から自己ベストを更新する14メートル83を投げ、一気にトップに躍り出た。見事に優勝を果たし「投げた時はそんなに飛んでいるという自覚がなかったが、いつも以上に体がスムーズに動いていた。距離を聞いて、“こんなに飛んだんだ”と驚いた」と振り返る。

 市役所で行われた優勝報告会では、今回獲得した金メダルを首から下げ、トロフィーを手にした大野選手が、父親の大野康さん、出身校の原市場中の小久保静治校長、同校陸上部顧問の二反田隼教諭とともに市役所を訪れると、職員や地域の人々が大きな拍手で出迎えた。開庁時間を過ぎた1階ロビーは多くの人々で埋め尽くされた。

 はじめに大野選手のプロフィールが紹介され、益子恵子生涯学習スポーツ部長から花束が贈呈された。

 大野選手と握手を交わした大久保勝市長は「若者、そして飯能市民に、インターハイ優勝という素晴らしいプレゼントを持ってきてくれた。これは飯能の元気の創出につながる。今後も常に1位を目指して、そして初心を忘れることなく励んでほしい」。

 野田直人市議会議長は「インターハイで優勝するというのは本当に素晴らしいこと。高校記録が15メートル71なので、あと少しで高校記録も破れるのかな、と期待している。2020年のオリンピックに出場できるよう、頑張ってもらいたい」と一層の活躍を期待。

 小久保校長は「中学1年生で砲丸投げを始め、そして3年生で全国1位。そして驚くことに、高校2年生ながらインターハイで優勝された。これもひとえに、日々目的と向上心を持って、毎日コツコツと努力を重ねてきた成果だと思っている。私たちにとっては、日本一というと一つのゴールという気がするが、大野さんにとっては、まだまだ通過点であると聞いている。今後もより広い世界、そして高みを目指して十分活躍してくれることを期待している」。

 二反田教諭は「原中の陸上部から、インターハイで優勝という素晴らしい成績を残してくれる、誇りになるような生徒が生まれたことを非常に嬉しく思っている。まだまだ通過点だと思うので、この先の目標に向かって結果だけではなく、人間的な部分で更に成長してもらい、飯能市にたくさんの笑顔が作れるような選手になってもらいたい」と述べた。

 その後、大野選手、父親の康さんから大会の感想や感謝が述べられ、今井直己教育長の音頭で万歳三唱が行われた。

【大野選手の言葉】

 このような会を開いて頂き、本当にありがとうございます。私は、中学3年生の時に全中で1位を取り、期待される中で高校1年生でインターハイに臨んだが、あまり良い結果が得られず、すごく悔しい思いをしました。

 そんな時に、地域の方々、飯能市民の方々から、たくさんの応援の声を頂きました。その応援が力となって、その後の1年間、一生懸命練習を積んで、この高校2年生でインターハイ優勝を取ることが出来ました。本当にありがとうございました。

 この結果に満足せず、来年も2連覇出来るように頑張りたいです。オリンピックに参加するにはまだまだ記録は及ばないが、2020年の東京オリンピックまであと3年努力して、出られるように頑張ります。その次の2024年には確実に出場していたい。今後も応援よろしくお願いします。