雨中の開通式典 国道299号台・飯能工区バイパス
国道299号線の日高市台から飯能市飯能まで約1・5キロに及ぶ「台・飯能工区」のバイパス整備が完了し、県は1日、同工区の供用を開始した。
供用開始に先立ち、台地内の特設会場で開通記念式典が開かれ、上田清司知事をはじめ、飯能・日高の市長、県議、市議、地元関係者らが出席しテープカットなどが行われた。この日は降雨に見舞われたが、野々宮神社獅子舞、加治中吹奏楽部、武蔵台囃子連、フレンド幼稚園、飯能高校チアダンス部が路上で発表を行い、開通に花を添えた。
幅員が狭く、歩道のない場所や大型車のすれ違いが困難な場所が点在していた旧道の課題を解消するため、県は平成17年度に台・飯能工区のバイパス整備に着手。
同22年度から本格的な工事が始まり、28年度に工区内を流れる大沢堀川に橋長93メートルの「台大橋」が完成。台地内から西武鉄道武蔵丘車両検修場、瀧不動尊などを迂回して広域飯能斎場付近へ抜ける延長約1・5キロにわたり、幅員12・5メートル(車道7・5メートル、両側歩道2・5メートル)で整備した。
また、飯能側と日高側の2か所の旧道との接続部分には信号機が設置された。総事業費は約22億円。
特設会場で行われた記念式典では、上田知事の式辞、田中勉飯能県土整備事務所長による工事経過報告、地権者を代表して鯉沼文夫さんへの感謝状贈呈、小谷野五雄県議、大塚拓衆議院議員、稲垣孝国土交通省関東地方整備局道路部地域道路調整官、谷ケ﨑照雄日高市長による来賓祝辞などが行われた。
その後、路上に設けられたアーチの前でテープカットやくす玉開扉を行い、知事らを乗せた車両やハーレー隊が渡り初めを行った。式典の前後には地元の団体や学校による発表が披露されたほか、地元グルメの「飯能すいーとん」や「高麗鍋」が来場者に振る舞われた。
上田知事は関係者や地権者の協力に感謝し「国道299号は古くから秩父と江戸を結ぶ“絹の道”であり重要な生活道路だった。現在でも長野、群馬、埼玉を結ぶ幹線道路であり、国道140号、圏央道、国道16号とネットワークを形成し、県西部地域の重要な位置付けとなっている」。
「台・飯能工区は鉄道や河川に挟まれ極めて狭あい、大型トラックなどがすれ違う時には、歩行者などが非常に危険な状態にあった。バイパス完成により安全が確保され、素晴らしい環境ができた。これにより秩父市から入間市までの約42キロ間の改良が全て完了し、車での所要時間は改良前より40分短縮される」と説明。
「先日、国内大手旅行社のシニアに人気のハイキング旅行エリアランキングが発表され、1位の尾瀬エリア、2位の日光エリアに次いで、飯能エリアが3位にランキングされた。まさしくこのエリアは、マンジュシャゲをはじめ、ハイキングに最適な地域であることが明らかになった。バイパス完成によりさらに魅力が発揮できると期待している。さらに飯能市ではムーミンテーマパーク“メッツァ”の計画が進んでいる。ますます魅力のエリアになっていくと思う。今後、この地域がさらに発展するよう努めたい」と述べた。