一騎打ちか、三つ巴か 飯能市長選
飯能市選挙管理委員会(浅見有二委員長)は1日、同市役所で7月2日告示、同9日投票の日程で実施される同市長選挙の立候補予定者説明会を開いた。出席したのは、現職の大久保勝氏(64)=無所属(自民、公明推薦)=と、新人で前飯能市議の椙田博之氏(53)=無所属=の2陣営と、共産党については金子敏江市議が、立候補予定者欄に「未定」と記載し出席。現職に新人椙田氏が挑む、保守を二分するかつての盟友対決に、共産が割って入るか、どうかという構図が、ほぼ決定した。共産は、「市政を変えるみんなの会」などを中心に、候補者擁立に向けて、告示直前まで調整を進めていく方針は変わらず、7月2日の告示日までに、第3の候補が名乗りを挙げる可能性がある。
今回の市長選は、現職の1期4年の評価を問う選挙戦。これまで1期で退いた現職はいないが、明確な争点が未だ浮上しておらず、市長選に臨む態度を決めかねている市議、有権者も少なくないと見られ、現状では情勢は霧の中。
説明会は市役所5階第4委員会室で行われ、 立候補届出の方法や選挙用自動車などについての説明が、選管や、飯能署等それぞれの関係機関から行われた。現職大久保陣営から、後援会長の町田保彦さんら、新人椙田陣営からは後援会長の間柴新作さんらが出席した。6月1日現在の有権者数は、男3万4173人、女3万4627人の合計6万8800人。
大久保氏は、市議会3月定例会での中元太議員(公明)の一般質問に対して出馬の意思を表明。
子ども医療費の段階的無償化や、子どもインフルエンザ予防接種無償化などに代表される「女性と子どもにやさしいまちづくり」、メッツァ誘致に成功した「市民の暮らしを豊かにするまちづくり」、「飯能を売り込む賑わいづくり」、「安心安全なまちづくり」の4項目に1期4年間の実績をまとめ、再選を目指す。
「飯能市から始まる日本の創生」のために、「春夏秋冬 季節を問わず、汗をかかせていただきます」と、実行力をアピールし、こども医療費“ゼロ”、待機児童“ゼロ”など「子育て支援の充実!」を筆頭に、今後の市政の方向性を7つにまとめ、引き続き市政を担う意欲を見せる。
一方、椙田氏も3月の一般質問の中で出馬をほのめかし、その後、「住民満足度の高いまちにしたい」などとして、市長選への初挑戦を表明した。
椙田氏は市議を5期20年務め、議会改革に取り組み、地方分権時代に対応した議会のあり方や議会機能の強化などについて調査研究する市議会の議会改革特別委員会委員長として能力を発揮した。
椙田氏は、▽新感覚の待機児童解消加速化プラン▽森林を守ることで市民の皆様に美味しい水を提供します▽先進レベルの市役所づくりに向けて、という3項目の提言を掲げる。
目指すべき市政は、「飯能を輝くまちへ!」をテーマに、「自主財源を確保し、増え続ける借金をコントロールします」など、「すべての市民のために!」を始め、5つに集約し支持を訴える。
動向が注目される共産については、関係者によると女性候補の擁立に向け調整中という。
前回平成25年の市長選では、大久保氏が1万9696票を獲得し、4選を目指した沢辺瀞壱氏を約2000票差で破り初当選している。
市長選立候補届出の受付は7月2日、市役所5階第2委員会室で午前8時半から午後5時まで。開票は9日午後9時10分から飯能第一小学校体育館で行われる。