名栗に滞在型キャンプ場 英国企業の日本支社

キャンプ場「CwS Hotel Naguri」のイメージ

 英国ロンドンに本社を置くキャンプ用品メーカー「Camping with Soul(キャンピング・ウィズ・ソウル)」(以下、CwS社)の日本支社が、飯能市内にキャンプ場を開設する。

 場所は、名栗地区の家並みが見下ろせる開けた高台。テント販売等を主要業務にするCwS社だが、自社製品のテントを常設するキャンプ場を日本で運営するのは、これが初めて。

 日本支社CwSJAPAN(株)は飯能市八幡町にあり、同市在住の横田泰典(たいすけ)さん(30)が代表取締役社長を務める。横田さんは、「オーガニックコットンを使用したキャンバステントを味わってほしい」と話している。オープンは7月の予定。

 キャンプ場の予定地は、さわらびの湯や農林産物加工直売所が立地する、有間ダム下方に広がる平地の一角約5000平方メートル。

 土地は横田さんの親戚が所有しており、日本支社のCwSJAPAN社が借り受ける形で、キャンプ場を開設・運営する。

 アウトドアと起業に関心があった横田さんが、2015年に英国へ留学。そこで、CwS社製品のテントに出合い、機能美やコンセプトに惹かれ、取り引きができないか、交渉を開始。現地へ渡っての直接交渉やテレビ電話を使ってアピール。熱意が伝わり、今年3月にCwS社の日本支社を法人登記するに至った。

 横田さんは「ロンドンに留学をしていた時の友人が、私が森林保全に興味を持っていることを知っていて彼の紹介でCwS社に出合った。その後、再度渡英して名栗の魅力をプレゼンするなどミーティングを重ね、正式に会社をスタートさせた」と、経緯を語る。

 CwS社は、2006年にロンドンで創業したキャンプ用品メーカー。現在、日本でも人気のグランピング(グラマラスとキャンピングを合わせた造語。豪華なテントやロッジに泊まり、施設を利用しながら自然の中でキャンプを楽しむ)に適したベルテントと呼ばれる、クラシックなコットンキャンバステントの分野では、英国、ヨーロッパで知る人ぞ知るブランドという。

 ベルテントはサイド部分が立ち上がり、ポール一本と張り綱で設営できる大型のテント。

 欧米で2007年頃に始まったグランピングブームに乗って、有名ブランドに同社は成長し、2008年からは、世界最大規模のロックフェスである「グラストンベリーフェスティバル」に、「Hotel BellTent」として宿泊環境を提供するなど、現在では本国だけでなく、スペインでも事業を展開をしている。  

 横田さんによると、日本でも模倣品が多く出回っているが、「Bell Tent the Original」の名の下、細部に拘るとともに、クオリティーにも絶対的な自信を持っているという。  

 日本国内初となるCwSJAPANによるキャンプ場の名称は、「CwS Hotel Naguri」。開設予定地は、サッカーもできるほどの広大な敷地。この空間を最大限に生かし、設営するテント数は直径5メートルと同6メートルのものを合計10張程度に留め、ゆったり感を全面的に強調する。

 内部には、いずれもシングルベッドが2つずつ配置、冬場には薪ストーブも設置される。

 名栗地区はハイキング、トレッキング、登山、カヌー、川遊びなどアウトドア愛好家を惹き付ける野外活動のメニューには事欠かない、埼玉県内でもトップレベルのエリア。「CwS Hotel Naguriをベースに、名栗地区のアウトドアを満喫してほしい」と横田さん。

 同キャンプ場は、今後のテント販売及びフェスへの参入、FC展開を見据えて日本全国はもとより、アジア各国に向けたショールーム機能を持たせる必要があることから、横田さんは「ブランドのイメージを正確に表現できるように、できるだけ英国の雰囲気を再現したい」と抱負を話す。   

 キャンプ場の料金は未定。問い合わせは、電子メールで、info@cwsjapan.co.jpへ。近日中にホームページも立ち上げる予定。