双柳岩沢線の早期整備を 委員から指摘相次ぐ

事業が進められる双柳岩沢線の交差点付近。左側に変電所が見え、この交差点を曲がって右側が元加治駅付近に達する

 飯能市の都市計画事業「笠縫土地区画整理審議会(神田家三会長)」が開かれ、今年度の事業予定について市側から報告されたが、主要な整備幹線・市道双柳岩沢線の工事の進捗状況を巡って出席した委員数人から厳しい指摘が相次いだ。

 同地区は、JR八高線東飯能駅の東に広がり、国道299号線を北の境として、八高線、西武池袋線を越えて、概ね入間川畔を南の境とする施工面積76・6ヘクタールの地域。隣接する4つの区画整理地内の中では、最も飯能の中心市街地に近く、仮換地指定済面積が、昨年3月の時点で指定率97%に達する、最も事業の進捗率が高い地域。

 昭和62年度に事業が開始され、事業完了予定は平成37年3月、総事業費は266億2300万円が見込まれている。

 この日の主な議題は、今年度の事業予定報告。主な整備予定個所は、同地区を東西に貫く南北の幹線路2本の部分工事。北側が双柳岩沢線で、南側が川寺岩沢線。

 双柳岩沢線は、国道299号線の市役所入口交差点付近を起点に、東京電力飯能変電所の先で東に折れ、隣接の岩沢北部の区画整理地内に入り、池袋線の元加治駅北側付近に達する全長1760メートルの都市計画道路。この道路が完成すると、市街地や市役所、国道側からも、元加治駅側からも同地区内へのアクセスが格段に便利になる。

 同線の今年度の事業は、変電所付近から交差点を折れて東に向かう280メートルの区間。既に供用は開始されているが、歩道部分が砂利のままなど未整備部分があり、歩道、下水道工事なども行い幅員12メートルの道を完成させる。

 川寺岩沢線は、双柳岩沢線や西武線に並行し、加治小学校付近からJR八高線との立体交差を超えて隣接の岩沢南部の区画整理地内に抜ける同地区南側の幹線道路。今年度は、八高線とアンダーパスで交差する手前の部分から、西に250メートルの所まで幅員12メートルの道路を下水道、歩道も含め完成させる。雨が降るとぬかるむ所もあったが、それが解消される。

その他、下水道4工区約330メートルの整備などが今年度の事業予定。今年度の事業が終了すれば、同地区の整備は、建物移転済み戸数でも進捗率90%を超え、保留地も12画地が販売開始される。

 しかし、一方で道路がつながっていない部分も少なくなく、市側の事業説明の後、出席した委員から厳しい意見が浴びせられた。

 委員からは、「一番大事なのは、市役所や国道から抜ける双柳岩沢線の整備。今更地の一ヶ所だけが問題のように見えるが、後どのくらいの期間が掛かるのか」「迂回は出来ないのか」「金を掛けて区画整理しても道路が出来なければ意味がない」などの指摘が相次ぎ、中には、直接施工を考えてもいいのでは、という強硬論も飛び出した。

 これに対して、市側は、「住民にご了解を頂いて進める区画整理事業であり、それぞれのご事情がある。区画整理に反対というわけではないので、今後もご了解頂けるよう対応させて頂く」と回答。

 市は、これからも住民の意思を尊重しながら、慎重に事を進めていく姿勢を表明し、区画整理事業の難しさをにじませ、委員らに理解を求めた。