千歳橋橋脚に欠損 パトロールで職員発見

緊急工事が行われている千歳橋

 飯能市小岩井地区の入間川に架かるコンクリート橋「千歳橋」(橋長39・1メートル、幅員4・8メートル)の橋脚基部が長年の水流などによって洗堀され、コンクリートが脱落して大きくえぐれ、内部の鉄筋が露出していることが、市が行っている橋梁パトロールで分かった。

 市は、安全対策が急務だとして15日から緊急工事に入っている。6月からは梅雨期による河川の水位上昇で、河川内工事に規制がかかることから、今月中には作業を終了させる。

 千歳橋は、昭和37年に供用開始した、橋齢55年の橋。飯能第二小学校がある久須美地区と自由の森学園側の小岩井地区とを入間川を跨いで結ぶ、地元住民の生活に不可欠なライフライン。

 橋脚基部の欠損が見つかったのは、今月8日。市道路公園課橋梁担当職員が橋梁に異常がないか調べるパトロール中に発見した。

 調査から、橋脚基部のコンクリートの脱落が著しく、橋脚の転倒が懸念される状況にまで洗堀が進行していることが判明。早急に対策が必要であることが分かった。

 千歳橋の橋脚は2基あり、いずれも高さ約7・5メートルで、横幅約4・8メートル。最上部で約1メートル、河床側の基礎部で約1・2メートルの厚さがある。欠損部が見つかった橋脚は、左岸側飯能第二小学校方向の1基の内側部分。

 洗堀の規模は、上下20~30センチ、奥行き60~120センチで、概ね水平方向で半分以上が欠損、内部の鉄筋も露出していた。

 市は支持力の復元を図るため、欠損部にコンクリートを充填する手法で対策工事に着手するが、通行止め等の交通規制は行わないという。

 平成24年に市は同橋を点検したが、この間に基部を覆うように堆積していた砂利が流され、さらに河川水位が低下していることから、欠損部が目視できる状態で現れた。

 今年度、建設部署に橋梁管理の担当を新設した市。同部署新設に伴う職員の橋梁パトロールと河川水量の低下という自然現象がタイミング良く重なり、大事に至る前に今回、千歳橋橋脚欠損が判明した。

 市が管理する市道上に架かる橋梁は429橋あり、このうち建設後50年を経過するものは平成26年現在で、全体の33%を占めている。