山間5地区に職員出動 鳥獣被害対策隊稼働へ
山間地域を中心に野生鳥獣による農作物被害が多発していることを受け、飯能市は鳥獣類が身を隠す灌木類の除伐やサルの追い払いなどをする職員による「鳥獣被害対策隊」を設置した。このほど、庁内で隊員任命式を行い、大久保勝市長が「鳥獣被害に負けるような飯能であってはならない」などと訓示した。
隊員は、庁内各部署から74人(男性66人、女性8人)。増え続ける鳥獣被害に対し、①捕獲②鳥獣を寄せ付けない環境整備③防除の3点を活動の柱に、諸対策を強力に推進する。
サルなどの出没情報などが市民や各地区行政センターから寄せられた場合は、その地区を担当する編成済みのチームが、業務中であっても現場に出動し、予め支給されているパチンコを使って追い払う。
また、地域住民が被害に遭った時は、現れた鳥獣や被害程度、時間、出没が頻繁かなど地域を歩いて情報を集め、鳥獣被害対策を所轄する農林課や地区行政センターと共有化し、その後の対策につなげる。
さらに、農地周辺を取り囲む電気柵の設置などといった市民の自己防衛策の普及、支援にも取り組むほか、狩猟免許も取得し、実際の捕獲活動にもあたる。活動を地域と連携しながら担う隊員は、お揃いのグリーンのジャンパーを着用、腕章を巻くなどして、野山でも自分の存在を周囲にアピールできるようにする。
対策隊の活動は全市域を網羅するが、当面の活動先として、サルやイノシシ、シカによる農林業被害が特に著しい、南高麗、名栗、原市場、吾野、東吾野の山間5地区で先行する。任命された隊員は複数人のグループに分かれ、リーダーの指揮のもとに任務を遂行する。
任命式で、隊員を代表した職員は「まずは現場に出向いて状況を把握し、地域の皆さんと一緒に汗をかくことで被害を減少させ、鳥獣被害に強い地域づくりに向け、隊員全員が取り組む」などと決意を表明した。