激しさ増す中盤戦 新人攻勢、守る現職
任期満了に伴う飯能市議会議員選挙(定数19、立候補者26人)は19日、早くも中盤戦に差し掛かったが、選挙戦はより激しさを増し、各候補は、それぞれの地盤固めから、これまで足を踏み入れなかった地域にまで進出。無党派層や浮動票の多い新興住宅街でも、多くの候補が選挙序盤から声を枯らして支持を訴えている。結果は、最後の確定票が発表されるまで判然としない情勢。
これまでのところ、有力候補者が多い新人に勢いがあり、それを実績豊富な現職が、組織を固め精力的に動き迎え討っている。また、現職・新人に限らず政党のバックアップを受けた候補者は、票を積み上げつつある模様。
■加治地区
最大の激戦区。前回は8人立候補し7人が当選。内沼博史氏が県議選に転出し、椙田博之氏が7月の市長選に出馬を表明したが、そのほかの現職5人は再選を目指し、新たに新人5人が立候補、計10人が名乗りを挙げている。
内沼氏と、椙田氏の獲得した票は、同地区だけで出た票ではないと思われるが、合わせて3799票もあり、この票の行方がカギを握る。
同地区は、特に有力な新人が多く、支える組織もしっかりしている2人の候補は、中位以上での当選も噂されている。別の新人候補も政党の支持を受け、有力者の支援も取り付けて他の陣営から警戒されている。
現職は、3人が政党の公認候補。
同地区は、新興住宅街が広がり無党派層は市内でも多い地域だが、地域への浸透に成功している現職と、同地区に限らず市民有志の支持を集めている現職、それぞれの戦略で新住民層などの取り込みを図る新人2人は、票の掘り起こしに余念がない。市民の選挙への関心の高まりと投票率が当落に影響する地域。
■南高麗地区
立候補者は一人だけ。地域のとりまとめと、有力者のバックアップ次第で、十分当選圏内。
■吾野・東吾野地区
前回4人が立候補し2人が落選した厳しい地域。今回は現職2人に新人1人が挑む。
2人の現職はともに地域に浸透しており、新人も有力者からの支援を受け、他地区の票の出方によっては3人とも当選する可能性も。
■精明地区
ここも立候補者は一人だけ。前回現職は最下位当選だったが、区画整理事業に明るく、平成9年には2000票以上獲得しトップ当選しており底力はある。
■原市場地区
同地区は、隣接する名栗地域から出馬した候補者がいないため、名栗地域への浸透度もカギを握る。
立候補者は、前回と同じ。再挑戦の新人は、前回現職に約350票の差を付けられたが、今回は政党の公認を得、同地区に限らず全市的に票を獲得できる態勢を整え力を付け、票の上積みを図る。
■旧飯能地区
加治地区と並ぶ激戦区。前回は9人が名乗りを挙げ、8人が当選している。今回、現職8人全員が再選を目指し、新人は一人。新人は力のある後援者が付き、実績のある現職に引けをとらない勢い。
この地区の当落は、有力新人の多い加治地区の動向や、投票率などに左右されると思われているが、まったく余談を許さない状況で、現職は、危機感を持って積極的に活動しており、勝負は最後の1票まで混沌としている。
また、現職ベテランの積極的な動きが目立ち、他陣営や市民からも注目を集めている。
投開票日は23日。16日現在の有権者数は、6万8783人(男3万4139人、女3万4644人)。
立候補者は次の通り。(届出順.氏名、年齢、党派=共は共産、公は公明、民は民進、維は日本維新の会、諸は諸派=、現・新別、〇数字は当選回数、敬称略)
▽永山 隆(57)無新
▽高橋 道雄(61)民新
▽加涌 弘貴(59)無現⑤
▽加藤由貴夫(67)無現④
▽松橋 律子(66)公現⑤
▽内田 健次(65)無現②
▽野田 直人(60)無現⑥
▽新井 巧(61)共現⑤
▽田島 亘(32)無新
▽滝沢 修(61)共現④
▽栗原 義幸(50)公現①
▽山田 利子(69)共現⑤
▽武藤 文夫(76)無現⑨
▽野口 和彦(42)諸現①
▽関田 直子(42)無新
▽木藤 達哉(54)無新
▽鳥居 誠明(66)無現④
▽宮倉 一夫(60)無新
▽新井 重治(63)無新
▽パタソンひとみ(50)無新
▽平沼 弘(65)無現②
▽中元 太(46)公現①
▽坂井 悦子(44)維新
▽砂長 恒夫(70)無現④
▽金子 敏江(61)共現⑥
▽大津 力(45)無現①