指定管理施設で増加 市の温室効果ガス排出量
飯能市は、平成25年度に策定した「温室効果ガス削減行動計画」(平成30年度までの5年間)に基づき、市の事務・事業から排出される温室効果ガスの削減に努めているが、平成27年度実績をみると、市庁舎などは基準年(同24年度)の水準を維持したものの、指定管理者管理施設については4%増加した。
地球温暖化をもたらす、二酸化炭素やフロンなどを削減するため、市は平成24年度を基準年にして、すべての事業を対象に事業ごとの温室効果ガスの削減目標を定めた「事務・事業に係る温室効果ガス削減行動計画」を平成25年度に策定した。計画の期間は、同26年度から同30年度までの5年間。
計画では、市の事務・事業を①市民生活関連事業②市民利用施設事業③教育関連事業④オフィス事業⑤指定管理者管理施設の5つに区分。それぞれの事業ごとに、温室効果ガス排出量の削減目標を定めている。削減目標は、平成24年度の水準を維持するか、または同30年度までに2・7%削減するかのどちらか。
対象施設は、①がクリーンセンター、環境センター、浄化センター、水道事業施設、下水道設備など。②が市民会館、市民活動センター、図書館、郷土館など。③が小中学校、保育所、給食共同調理場など。④が本庁舎、本庁舎別館、第二庁舎など。⑤が福祉センター、林業センター、カヌー工房、さわらびの湯、東吾野医療介護センターなど。
いずれも、公用車のガソリン、暖房用燃料の灯油、発電機燃料のA重油、施設照明用の電気、給湯用の都市ガスといった使用量、一般廃棄物焼却量、保有自動車の走行量などから温室効果ガス排出量を算出した。
それによると、平成27年度の5事業全体の温室効果ガス排出量の状況は、対平成24年度比で92・43%となり、公共施設の照明・事務機器などの電気が88・06%と低減できた。
各事業ごとの温室効果ガス排出割合では、クリーンセンターや下水道事業施設の市民生活関連事業が78・3%と最も多く、2番目の教育事業を69・2ポイントも上回った。以下、指定管理6・2%、市民利用施設4・2%、オフィス事業2・3%の順。
平成27年度に排出した温室効果ガス量を主な事業ごとにみると、平成24年度の水準維持を目標とした市民生活関連事業が4・7%減少したものの、指定管理者管理施設については4%増加した。
指定管理者管理施設は敬愛園、総合福祉センター、美杉台児童館、ふれあい農園施設、カヌー工房、林業センター、さわらびの湯、農林産物加工直売所など。項目では軽油、電気、ボイラーなどにおける燃料使用は減少したが、灯油、ガソリン、都市ガスなどの使用が増加。また、車両25台の走行とカーエアコン使用による温室効果ガスの排出量も45・9%増えた。
平成30年度までに2・7%削減を目標値に設定した本庁舎や別館、第二庁舎、保健センターなどの職員の事務の執行に関連するオフィス事業については、平成24年度の水準を保った。
項目別にみると、普通貨物車・特殊用途車の使用が増え、軽油使用量は33%増加。逆に、液化石油ガス、都市ガスは減り、オフィス事業全体のガソリン使用量もエコカー導入や職員のエコドライブ意識などが起因してか、7・5%減少した。