エコ・アワード2016 市長賞は休暇村奥武蔵
昨年1年間に実施され他の模範となる優れたエコツアーを表彰する「飯能市エコツアー・アワード」が富士見地区行政センターで開催され、4つのツアーが優れた企画と認められ、ツアー実施者が表彰された。
表彰されたのは「さがす・あじわう・つくる~シカとシシづくしの土曜日~」「美味しく食べて環境問題を考える!竹筒ごはんとエコストーブ体験」「古民家でフランス料理フルコースを味わう」「サトムスメが挑戦!Vol.2非常時にも役立つ大人おしゃれなアウトドアクッキング」の4企画。
平成16年度に飯能市が環境省エコツーリズム推進モデル地区に指定されてから10年が過ぎ、同26年度に飯能市エコツーリズム推進全体構想が再認定された事を機に創設された賞。今回が3回目の表彰。
2016年は、飯能で39団体が120のツアーを実施。4129人が参加した。
「企画・協議シートを過不足なくきちんと提出したか」「募集定員の80%以上の参加者があったか」など計10項目全てを満たしたツアーが一次選考を通過。今回10ツアーが、一次をクリアして二次に進んだが、ノミネートまで後一歩というツアーが43に上った。
二次選考は、「住民が誇りとするふるさとの風景の保全・再生に活かす」「さまざまな野生生物の魅力や人との関わりを題材とする」など10の推進ポイントに沿って分類。企画・協議シート、アンケート結果などを参考にしながら、大久保勝飯能市長、平井純子同市エコツーリズム推進協議会長、笠井俊彦環境省関東地方環境事務所長の3人が選考委員となり審査した。
その結果、飯能ならではの魅力を活かしたツアーに贈られる飯能市長賞には、休暇村奥武蔵の「シカとシシづくしの土曜日」が選ばれ、飯能の自然環境の保全や生活文化、伝統文化の継承に大きく貢献したものが受賞する環境省の所長賞には、駿大・地域フォーラムの「竹筒ごはんとエコストーブ体験」が、地域コミュニティの活性化や飯能ファンの増加に貢献したと評価されたエコツーリズム推進協会長賞は、古民家ひらぬまの「古民家でフランス料理」が選出された。
また、一次選考を通過したツアーの中から、2016年に新たに企画・実施され、特にアンケートの評価が高かったサトムスメが挑戦!実行委が催行した「アウトドアクッキング」が、協議会奨励賞に輝いた。
奥武蔵のツアーは、野生生物が地域に与える問題など、地域の環境問題について考えていた点、吾野地区で収穫された山菜を使い、同地区で捕獲されたイノシシを食べ、駆除だけでなく有効活用していることを伝えた点など4つのポイントが評価された。
駿大・地域フォーラムの企画は、間伐の必要性を子どもにもわかりやすく説明し、竹林の間伐を体験させ、伐採した竹で器を作ったり、竹筒ごはんを炊いて美味しく食べるなど、5つのポイントから選ばれた。
古民家ひらぬまの企画は、県景観重要建造物指定の「旧平沼寛一郎邸」で本格フレンチを味わえること、市内在住の一級建築士が古民家について解説するなど、市の歴史や古民家の魅力や保全活動について学べること、料理の皿には飯能焼を使用していることなど5点が高評価を得た。
受賞者は、それぞれコメントを述べたが、奥武蔵支配人の合田忠功さんは、「飯能吾野に業務を移して3年半、飯能の魅力を休暇村から発信できるように、これからも精進します」とあいさつ。
駿大・地域フォーラムの原聰さんは、「親子で参加してもらい、子どもに体験する機会を提供している。キャンパスにある竹林が非常にきれいになり、タケノコが良く摂れるようになった」と、ユーモアを交え喜びを語った。
古民家ひらぬまの平沼誠之さんは、「名栗の食材ルバーブが好評で、地域の特産品にしていきたい。エコツーリズムのシステムが素晴らしく、個人でも地域の魅力を発信できる」と、エコツーズムに感謝。
最後にサトムスメを代表して大前牧子さんがあいさつ。はにかみながら「震災後、自然と共に生きることを考えていたときに、エコツーリズムを知った。女性4人で自然の中でたくましく、女性限定のツアーを企画しています」と受賞の喜びを語っていた。