高齢者の交通事故を防げ 加治東地区行セで講習会

清水総務係長の話に耳を傾ける参加者

 高齢者が関係する事故が多発している近頃。高齢者の交通事故を防止するために、正しい交通ルールやマナーを学んでもらおうと、加治東地区行政センター集会室で「高齢者学級」が行われ、参加者約60人は、事故を防ぐための心構えなどを学んだ。

 県内では、昨年1年間に死亡交通事故で151人の人が亡くなっており、そのうち65歳以上の高齢者は86人と57%を占めている。全国的にみるとワースト7位だった。飯能署管内では、昨年9人が亡くなっており、県内で最多だった。

 そこで、交通事故を他人事とせず「事故に遭わない」「事故を起こさない」ということを日頃から意識してもらおうと、加治東公民館(篠田治久館長)、岩沢第一長寿会(荻原時造会長)、前原長寿会(島崎清会長)、阿須長寿会(山﨑忠男会長)の共催で講習会が実施された。

 講師は埼玉県警察交通安全教育指導班「ふれあい」と、飯能警察署交通課の清水和也総務係長が務めた。

 同講習会では、埼玉県警が高齢者の交通事故の特徴をまとめ、注意を呼び掛けるために作成した合言葉「あじのひらき」のチラシを配布。

 「あじのひらき」とは、「歩く人(歩行者)」「自転車に乗る人」「左側から来る車と衝突!(道路横断中の衝突が多発)」「ライトがつく頃に多発!(日没から2時間ぐらい)」「ご近所で油断?(歩行者は自宅から半径500メートル以内、自転車は自宅から半径1キロメートル以内で多発)」の頭文字などを並べたもので、キーワードごとに解説した。

 続いて事故防止のポイントとして、①身体機能の衰えを自覚し、年齢に合った行動を心掛ける②「あの車は止まってくれるだろう」ではなく「止まってくれないかもしれない」と考えるよう意識の改革と習慣③早朝、夕方以降の外出は黄色や白など明るい色の服や反射材を身に着けること――の3点を呼び掛けた。

 また、高齢ドライバーに対し、「シルバー・ドライバー・ドッグ」への参加を呼び掛けたり、運転免許の自主返納について説明したほか、管内での事故状況について解説、反射材や自転車乗車時のヘルメットの活用などを呼び掛けた。