高齢者おでかけ支援事業 路線バスやタクシー利用券交付

 日高市は、車を運転しないなど日常生活で移動手段の確保が困難な高齢者の外出を支援するため、路線バスやタクシー利用券を交付し高齢者の買い物や通院、社会参加等への移動を手助けする「高齢者おでかけ支援事業」を平成29年度に試行的に開始する方針を示した。

 3月定例会前の市議会全員協議会で執行部が内容を説明した。

 同事業は市内在住の75歳以上を対象とし、対象者のうち申請のあった人に路線バス利用、タクシー利用のいずれかを選択してもらい、バス利用を選択した場合は回数券等、タクシー利用を選択した際はタクシーの初乗り料金730円の利用補助券10枚を交付する。

 補助金額は年度あたり一人7300円。市内の75歳以上は約7000人で、利用希望者に申請してもらう。

 4月から6月までを準備期間とし、7月に事業を開始し、利用者にはアンケート等の協力を依頼。「アンケートをもとに29年度内に利用実態等を分析し、30年度には利用実態に応じた本格実施に向け準備を進めたい」としている。

 全協では議員から具体的な利用方法について質問があり、担当職員は「交付した券の使用期限については1年程度と見込んでいる」「利用可能なタクシーは市内業者を想定しており、使い方としては市内の移動の際の利用を基本とし、市内から市外へ向かう場合は使えるが、市外から市内へ向かう場合は使用できない、との方向で検討中」などと答えた。

 また、「運転免許証返納者への特典はあるのか」との質問に対し、「現在、免許返納者へはバス券5000円分を交付している。29年度は同交付を継続し、おでかけ支援事業の実績を踏まえ、免許返納者への対応を改めて検討したい」とした。