円滑な交通確保へ 日高川島線を延伸
日高市内で現在整備中の県道飯能寄居線バイパスに県道日高川島線を延伸して接続する計画について、地元住民に対する説明会が宮ヶ谷戸自治会館で行われた。
同計画は円滑な交通の確保に向け、南平沢交差点から北平沢地内で整備中の飯能寄居線バイパスまで日高川島線を西側へ約500メートル延ばすというもの。
平成26年10月以降、3回目となった説明会では飯能県土整備事務所職員が図面をもとに幅員や交差点などの計画や今後の予定を示した。
現在整備中の飯能寄居線バイパスは平成30年度開通を予定しており、バイパス開通後、速やかに日高川島線を延伸して接続したいとしている。
南平沢交差点を起点に坂戸・川島方面へと延びる日高川島線だが、現状のままでは飯能寄居線バイパスが開通しても、飯能や毛呂山方面から坂戸方面へ向かう車両がバイパスから日高川島線へ直接乗り入れることができない。
また、坂戸方面から飯能・毛呂山方面へ向かう車両も直接バイパスに乗り入れることができず、いずれも飯能寄居線の現道を使用することになるため、南平沢交差点周辺の一層の渋滞を引き起こすことが懸念されていた。
そこで、南平沢交差点が起点となる日高川島線を西側のバイパス部分まで延伸し接続することで交通の円滑化を図ることはできないかと、地元周辺の区長が知事へ要望。
その後、県が延伸について検討を進め、平成26年10月に地元住民へ延伸計画を示し、現地測量や地質調査を経て昨年3月には地権者を対象に2回目の説明会、さらに詳細設計を経て、今回の説明会では平面図や横断図が示された。
説明会の冒頭、同事務所の田中勝也副所長兼県道路施設公園部長は「事業を進めるにあたり、皆様に喜んでいただけるような道路事業を進めて参りたい。ご協力をお願いしたい」。
また、同席した小谷野五雄県議は「飯能寄居線バイパスは平成30年度開通となる。日高川島線についても一日も早くバイパスに接続し、地域の発展につながることを願っている。貴重な土地を提供して下さる方々には大変お世話になる」と述べた。
その後、同事務所職員が平面図、横断図をもとに延伸する道路の説明を実施。
延伸部の幅員は15メートル(車道6・5メートル、自転車レーン3・5メートル、歩道5メートル)で、両側に自転車レーンと歩道が設けられる。南平沢交差点、飯能寄居線バイパスとの交差部分には右折帯が設けられる。
南平沢交差点は現状では高麗川駅方面から北へ向かう車が右折しようとすると後続車がつかえてしまう問題があるため、東側に交差点を広げる。また、交差点南側にある市道を接続すると5差路になってしまうため、市道を交差点から遠ざけて接続し、県道同士の十字路とする、などとした。
今後の予定としては、用地幅杭設置・用地測量を行い土地価格や補償金を算定、用地交渉・契約、物件移転や登記、埋蔵文化財調査を行った後に着工し開通の見通しとなる。
開通時期は未定としており、飯能寄居線バイパス開通以降、速やかに開通できるよう努めたいとしている。
住民の間からは延伸部の中央付近にある市道との交差部について「横断歩道や押しボタン信号を設置してほしい」との声があり、「信号関係は警察の所管になる。地域の皆様からの要望があったことを警察にお伝えしたい」と述べた。
このほか、平成30年度開通に向け整備中の飯能寄居線バイパスについて職員は、「現道は高麗川橋の幅員が狭く大型車同士のすれ違いができない。
南平沢交差点の右折車両の影響などから朝夕をはじめ慢性的な渋滞が発生し、路線バスが時間通りに運行できない、埼玉医大国際医療センターへ向かう救急車が通行できないなどの問題が発生している。こうした問題解消に向けバイパスの一日も早い開通を目指している」とした。