施設集約化や複合化検討 公共施設等総合管理計画

市内地区行政センター中、最も古い建物の加治地区行政センター

 飯能市は、市の保有する公共施設を総合的、計画的に維持管理するためのガイドライン「公共施設等総合管理計画」の策定作業に着手している。

 市民生活の基盤となる公共施設だが、将来的に一斉に更新時期を迎え、道路や上下水道といったインフラ施設についても老朽化による市民生活への影響が危惧されている。

 計画には施設の再生も含め、インフラの適切な維持管理についての方針が盛り込まれる。

 市は、先月13日に公共施設等マネジメント推進審議会(熊田俊郎会長)の第3回会合で、公共施設等総合管理計画の素案の一部を諮問した。今後、数回の会合を催し、平成28年度中に答申を得たい考え。

 公共施設等マネジメント推進審は、市長の諮問に応じて公共施設等総合管理計画の策定、その推進に関する事項について審議する諮問機関。設置は、平成28年4月施行の「市公共施設等マネジメント推進審議会条例」に基づく。

 委員は大学教授など学識経験者や自治連、商工会議所専務といった知識経験者5人で、2年の任期。

 公共施設等総合管理計画の対象となっている公共施設は、市公有財産台帳に登載された市役所や、地域コミュニティーの核となる地区行政センターなどの施設と、道路・橋・上下水道施設のインフラ施設。

 これらは昭和40年代などに整備され、現在老朽化が進んでおり、維持管理費の増大が、市政上の大きな課題となっている。

 このうち、小学校区ごとに設置され、行政サービスの提供とともに、地域活動の支援を行っている地区行政センターについては、昭和60年以前に建築された施設が多く、耐震化やバリアフリー化がされていないことなどを含め、老朽化への対応が必要と指摘されている。

 この地区行政センターの維持管理等の方針について、諮問された素案では、「真に必要な機能を整理し、まちづくりや生涯学習の拠点施設として将来の地域の在り方を踏まえ、今後の施設のあり方を検討する」。

 更新等にあたっては「集約化や複合化等を検討する」とし、維持管理について、「緊急度、優先度を踏まえ、計画的な修繕等を行うとともに、施設等の耐用年数を踏まえ、予防保全的な維持管理に努める」などと示している。

 市内15施設ある地区行政センターのうち、建築年度が最も古いのは加治地区行政センターの昭和47年、次いで第二区地区行政センターの同49年。いずれも建物は鉄筋コンクリート造で、耐震化は施されていない。