「国鉄のある風景」 駅舎風物置「こおばんち」
日高市栗坪の和田貴弘さん(48)が、自宅隣の駅舎風物置「こおばんち」で23日まで、第41回企画展「国鉄のある風景」を開いている。国鉄が民営化し来年で30周年を迎えることから、自身や仲間が撮影した国鉄ならではの当時の風景や今も活躍する車両などにスポットを当てた。
水道業を営む和田さんは、子どもの頃から鉄道、特に国鉄に興味を持ち、列車の旅を続けてきた。平成10年には大好きなローカル線の駅舎をイメージした物置を自宅脇に建て、家業の「工場の家」を文字って「こおばんち」と名付けた。
改札ラッチや収集品の腕木式信号機、駅で使用されていた木製ベンチ、時刻表などを置き、毎年、企画展として撮りためた写真、記念切符や鉄道用品などの収集品を展示している。
今回は国鉄時代の終盤となる昭和50年~62年頃の写真や資料を中心に、駅弁の立ち売り、ホームに設けられた夜行列車用の洗面所など、今では見られなくなった光景、急行や特急にちなんだ品を展示。また、「国鉄探しの旅」として一家で旅をしながら今も活躍する車両などを紹介。
和田さんは「学生時代から地元の高麗川駅を拠点に国鉄で全国各地を旅したが、かつてはどこへ行っても見られたものがいつの間にか姿を消したり、珍しくなったものが数多くある。時代の移り変わりとと共に失われていく光景を残したい。当時を知る方には懐かしさを感じてもらえるのでは」と話している。
入場無料。期間中の開催時間は午前9時から午後6時まで。問い合わせは、和田さん989・1953へ。