災害復興まちづくりをイメージ 飯能でワークショップ
飯能市は県、芝浦工業大学とともに、地震により被災した住宅密集地の住民の生活再建や地区をどのように復興させていくかについて選択肢ごとに検討する「復興まちづくりイメージトレーニング」を11日、市役所で開催する。
国、県、市町村、学生、民間事業者など約45人が参加し、想定した災害に基づき復興までにどのような手順が考えられるか、ハード、ソフトの両面から膝を交える。市は、検討事例や課題を平時のまちづくりに反映する。
首都圏直下型地震などの発生が危惧されている中、大規模災害後に復興まちづくりを迅速、円滑に進めていくためには、それぞれの地域の特性、被災者の生活再建策なども考慮に入れた事前の準備が必要という。
このため、県は大規模災害後の市街地復興に備え、平成21年に「復興まちづくりイメージトレーニング」の手法を開発、県内市町村職員などを対象に災害を想定した上で、どのような復興策が考えられるかなどワークショップ形式の研修を行っている。
イメージトレーニングは21年度から概ね1年に1回ほど開かれ、これまでに東松山、さいたま市、深谷市などで催され、飯能会場は今回が初。
想定した災害は「震度6強」の地震。これにより、飯能市街地の木造住宅密集地47ヘクタール(人口3900人)でどのような被害が想定され、どう復興させていくかを検討する。
また、家族構成が異なる世帯をモデル設定した上で被災後の生活状況を想定、震災前の生活にどう戻していくかといった生活再建の選択肢も考える。
市からは危機管理担当にとらわれず、希望する職員が参加する。講師は芝浦工業大学システム理工学部教授が務める。
同トレーニングからは、▽復興に関する人材育成▽復興に向けた知識やノウハウの蓄積▽得られた課題などを手引きなどへ反映─といった効果が得られるという。