市内最大の物流施設 GLP狭山日高Ⅱ 上鹿山地内に完成

上鹿山地内に完成した「GLP狭山日高Ⅱ」

 日高市上鹿山にグローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP、東京都港区)が建設を進めてきた大型物流施設「GLP狭山日高Ⅱ」が完成し、3日、同社の帖佐(ちょうさ)義之社長、日高市の谷ケ﨑照雄市長、建設関係者などが出席して竣工式が行われた。

 田木地内の圏央道沿いに今年1月に稼働を開始した「GLP狭山日高Ⅰ」に次ぐ2施設目。谷ケ﨑市長は新たな雇用創出への期待などを挙げ「既に稼働している狭山日高Ⅰの2倍の規模、市内では最も大きな建物となる。全館LED照明でアメニティ設備も充実している。このような施設で日高の人々が働けたら良いと感じている」と述べた。

 同施設は敷地面積4万3000平方メートル、延床面積8万5700平方メートルの地上5階建て。マルチテナント型と呼ばれる企業向けの賃貸型物流施設。

 1・3・4階に大型車両が直接乗り入れ可能なランプウェイを備え、震災時に安全性を確保する免震構造とし、停電時のバックアップ電源、井水利用設備などを整備。太陽光パネルの設置や全館LED照明の採用などで消費電力や二酸化炭素排出量を抑えた。

 また、従業員の労働環境向上を図るため、施設5階には24時間利用可能なカフェテリアを設け、女性用トイレにパウダーコーナーを設けるなどアメニティ関係を充実させた。

 市街化調整区域の土地を取得し、昨年4月に着工。同社は立地場所について「圏央道と国道16号の結節点にあり、狭山日高インターチェンジから約3・4キロと近く、東名・中央道・関越道・東北道・常磐道へ接続することにより中部以西~東北へのアクセスが可能。こま川団地、東急こま川団地に近接することから、労働力確保の点からも優良な立地」としている。

 GLPは、GLPグループの日本法人として平成21年に設立し、国内で95件の物流施設を運営。

 竣工式後、帖佐社長は「物流業務は我々の日常生活に欠かせないもの。物流施設というのは建設後、数十年存続する建物と考えている。雇用の促進という面でも地元に末永く貢献ができる立場と考え、いかに優良な労働力を確保するか、働く人にどういったサービスが提供できるかという点にも着目した。地元のご理解とご協力があって我々の事業も円滑にいく。地域との共生・共存を大切に考えている」と述べた。

 谷ケ﨑市長は、「日高市にとっては雇用の場が広がるのはありがたいこと。近接する飯能市で宮沢湖の周囲にムーミンのテーマパークがオープンする予定もあり、公共交通の増強にも期待している」。

 また、今後の企業誘致の方針について、「市の大半が市街化調整区域という中で企業誘致をしていかねばならず、都市計画法に基づいた許可を得てエリアを決めて企業誘致を進めてきた。圏央道は茨城、千葉区間が来年開通するということになり、ますますこのエリアに対するポテンシャルが高まってくる。市民の雇用の場を確保したいというのが第一。企業にとっては地価が安いとの魅力があり、優良企業に来て頂けるよう今まで以上に努力して参りたい」と述べた。