振り込め詐欺2度も「待った」お手柄コンビニへ感謝状
5月中、2度にわたって振り込め詐欺被害を未然に防いだとして、飯能署(福島謙治署長)は20日、セブンイレブン飯能駅北口店の店長・清水豊さん、副店長・木下智章さん、店員の綿貫藤枝さんの3人へ感謝状を贈った。
いずれも店を訪れた高齢者が、インターネットを通じた電子マネーの要求や架空請求の被害に遭うのを防止したもので、店長の清水さんが代表して同署を訪れ、福田署長から感謝状を受け取った。
未然防止の1件目は5月11日。多額のギフトカードの購入を希望する80代男性から購入方法などを尋ねられたことから、店長の清水さんが「電子マネーを要求する振り込め詐欺ではないか」と疑い、110番通報。駆け付けた署員が事情を聴き、振り込め詐欺と判明した。
同23日には、副店長の木下さん、店員の綿貫さんが、70代女性2人から「インターネット代金の未納金9万円を振り込みたい」との相談を受け、こちらも詐欺を疑い110番通報。署員が対応したところ、架空請求だったことが分かった。
今年に入り、インターネット有料サイトの利用料を口実に「支払わなければ訴訟を起こす」などと告げ、コンビニや量販店で販売されているプリペイド式の電子マネーを購入させ、番号を教えさせる手口の詐欺が全国的に急増。
飯能署管内でも5月中に23歳男性が327万円分、29歳女性が28万円分の電子マネーを騙し取られる事件が相次いだ。
こうした事件を受け、同署はコンビニエンスストアなどに、電子マネーの購入やATMからの振り込みを希望する利用客に注意喚起を促すよう呼び掛けていた。
感謝状を受け取った店長の清水さんは「利用客が電子マネーの被害に遭わないよう、注意喚起の掲示物を張り出し、店員に注意を促した矢先だった」と振り返り、「自分の店で立て続けに起き、振り込め詐欺はすぐ身近な事件だということを改めて実感した。警察にもすぐに対応して頂き、防ぐことができて良かった。今後も利用客が安心できるように心掛けたい」と話した。
福島署長は「電子マネーによる被害が相次ぐ中、管内のコンビニエンスストアで被害を未然に防いで頂いたのは初めて。防犯意識を持って業務にあたって頂いているおかげ。水際で防いで頂き大変ありがたい」と感謝を述べた。