また転落事故 日和田山

転落事故が後を絶たない日和田山の男岩

 里山として遠足の児童や行楽客に親しまれる一方、ロッククライミングのスポットとしても人気を集めている日高市の日和田山。中腹に位置する巨岩「男岩・女岩」には全国から岩登りに挑戦するクライマーが訪れるが、転落事故が後を絶たず、今月3日には青梅市の男性(58)が男岩から10メートル下に転落し岩場に背中などを打ち重傷を負った。

 昨年は死亡事故もあり、消防などは装備を万全にし、安全を十分に確認するよう呼びかけている。

 日和田山の男岩・女岩は都心に近く初心者でも楽しめるスポットとして昭和40~50年代から人気を集めるようになり、グループで訪れ現場で講習会が開かれることも。

 そうした中、転落事故も度々発生。今月3日の事故をはじめ、昨年は2月に男性が転落して岩場に体を打ち付けて死亡したほか、5月には男性が足を骨折する事故があった。

 消防関係者によると、過去の転落事故の原因の多くは、岩場を降りる際にロープが抜けてしまった、劣化した器具が外れてしまったなど、安全の確認不足から生じている。また、ヘルメットを未着用だったケースもあるという。

 市は事故防止のため岩場へ登らないよう呼びかける看板を周辺に設置しているが、岩登りの魅力に引かれる人は後を絶たない。

 数メートルの高さでも岩場に転落すれば命を落とす危険があることから、関係者は装備の見落としや気の緩みのないよう、入念な注意を呼びかけている。