日高高校で模擬投票 選挙権年齢引き下げ控え

体育館で模擬投票を行う3年生

 7月10日投開票の参院選から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられるのを前に、県立日高高校(松本明校長)の3年生112人を対象に主権者教育出前講座が開かれた。

 日高市選挙管理委員会事務局が講師となり、選挙で実際に使用しているものと同じ投票箱や記載台、開票用の計測器などが用意され、生徒たちは選挙の意義や選挙権、投票方法について話を聞いた後、模擬投票を行った。

 「選挙とは、暮らしに必要なことや集めた税金の使い道を決めるため、国や地域の住民の代表を選ぶもの」「投票は権利であり義務ではない」。

 クイズ形式を取り入れながら行われた講座では、選挙権年齢引き下げの背景となった若者世代の投票率の低下について、平成27年8月に行われた埼玉県知事選を例に、全有権者の投票率が26・63%、うち20~24歳の投票率は13・64%だったと説明。

 この数字に生徒たちの間からは「えー」「低い」といった驚きの声が上がった。

 また、若い世代などが投票に行かない理由として「忙しい」「面倒臭い」「誰に投票して良いか分からない」などの声を紹介。

 選挙当日に投票できない人が選挙期日前に投票を行うことができる期日前投票、投票の際の候補者の判断材料として立候補者の政党や政見を記載した選挙公報などについて説明し、「こうした制度を活用し、選挙権を無駄にせず投票して欲しい」と呼びかけた。

 その後行われた模擬投票では実際の投票用紙を使い、生徒たちは事前に配られた選挙公報を参考に架空の3候補に投票。

 投票の流れに沿って全生徒が投票箱に票を投じた後、開票作業も行われ、各候補者の得票数や無効票の数が速やかに発表された。

 講座を終え、市選管の田中敏幸事務局長は「実際とほぼ同様に投票の仕方を体験して頂いた。今回は選挙公報で候補者を判断してもらったが、実際の選挙では候補者の演説を聞き、どのような考えを持っているのかを判断して頂きたい。選挙権を得られた方はぜひ、投票に行って欲しい」などと話した。

 5月に18歳の誕生日を迎えた生徒会長の竹内優多さんは、生徒会長に立候補し放送で演説を行い投票で選ばれた経験を振り返り、「みんなの投票で選ばれると、きちんとやり遂げなければという責任感を強く感じる。選挙の大切さを知った」と語り、講座を通じて「選挙権は自分たちに与えられた大切な権利。これからは政治にもっと関心を持ち、夏の選挙では投票に参加したい」と話した。