藍綬褒章の平沼さん(南) 国勢調査など44年にわたり尽力

新井市長とともに章記・褒章を手にする平沼さん

 統計調査員として44年にわたり国勢調査などに従事し、令和4年春の褒章の藍綬褒章受章者となった飯能市南在住の平沼たけ子さんへの褒章伝達式が19日、飯能市役所で行われた。

 新井重治市長から平沼さんに章記と褒章が手渡された。

 平沼さんは昭和53年以来、令和3年までの44年間にわたり、国勢調査9回、事業所・企業統計調査6回、経済センサス5回、住宅・土地統計調査7回、農林業センサス9回、工業統計調査25回、商業統計調査8回など、計73回の統計調査に従事。統計調査への功績が高く評価された。

 「まだ30代、娘が3歳の時に義理の妹の紹介で調査員になりました」という平沼さん。各種調査が行われるたびに、地元の山間地域を中心に調査票を持って各家庭や事業所を回った。

 5年ごとに実施される国勢調査については、昭和55年、60年、平成2年、7年、12年、17年、22年、27年、令和2年と、昭和、平成、令和にかけ計9回もの調査に携わった。

 「長年やっているので地域の方々に顔と名前を覚えて下さり、スムーズな調査に協力頂いた。皆さんの大切な個人情報を漏らすことはできないので、情報の扱いには神経を使った」という平沼さん。山間地域のため、冬場の山道は雪や凍結の危険があることから、車を使わず、歩いて家を回ったこともあるという。

 コロナ禍に伴い天皇陛下への拝謁、大臣による伝達は実施されず、県を経て市役所での伝達という形となり、はじめに大野元裕知事からのメッセージが読み上げられた後、新井市長が章記と褒章を平沼さんに贈呈した。

 新井市長は平沼さんの功績を称え「44年もの長きにわたり、70回を超える各種統計調査にご尽力頂いた。特に5年ごとに実施される国勢調査では9回もの調査に携わって頂いた。大変ご苦労もあったと推察するが、高い見識と豊富な経験を生かし、今後もご活躍頂きたい」と挨拶。

 平沼さんは「引き受けた以上、責任があると思ってやってきたが、このような章を頂き、大変恐縮している。皆様のおかげ」と感謝を述べた。