日本の伝統文化を体験 晴れ着や着物に笑顔 飯能市国際交流協会など企画
外国人などに日本の伝統文化である着物の着付けを体験してもらおうと、飯能市国際交流協会、着物着付け師、NPO法人の3者による「晴れ着、着物体験会」がこのほど市民活動センター(丸広飯能店7階)で開催された。
同協会員の外国人やその知人など女性13人が参加し、着付け師仲間で結成した糸遊(いとゆう)の手ほどきを受け、華やかな着物を着用して笑顔を見せた。
同市国際交流協会は、世界の人々との相互理解と友好親善を図ることを目指し、日本語学習支援事業や国際交流事業を実施。
今回の体験会は、ラテン系の高齢者を支援する活動を行っているNPO法人テソロス・デ・ディオスのメンバーが同センターで活動していた際に、正月の期間に合わせて糸遊が行っていた着物の展示に興味を持ったことから、市内や近隣地域に住む外国人に日本文化を知ってもらい、地域の多文化共生の取り組みになればと3者が企画した。
体験会では、はじめに同市国際交流協会の中里明宏会長が「ぜひ日本の伝統文化を楽しんでほしい」と挨拶。
糸遊の古簱珠美さんは、今回着付けを体験する振袖と小紋の特徴について「振袖は袖が長い着物で、未婚女性にとって大変格式が高いもの。結婚式や成人式、パーティーなどで着用する。小紋は全体に柄が入っていて、食事会や誕生日会、コンサートなどの集まりの際に着る」と解説。
反物を見せながらその長さや洋服との違いなどを説明し、「職人が絵を描いたり刺繍をしたりするので、仕上げるのにとても時間がかかり、値段も高価なものになる。そのため日本人は着物を大切にしており、今日の着物も30年、40年前のものがある。大切に受け継いできたものなので、ぜひ日本の文化である着物の魅力を味わってほしい」と話した。
その後、数人ずつに分かれ、シダレサクラやボタンなどの柄が描かれたピンクや黄緑の着物の着付けを行った。
着物を着るのは今回で2回目という日系ペルー人の當銘えみりさん(21)=双柳=は、「昨年、私たちの成人式がコロナで中止になってしまったので、赤い振袖を着て写真だけ撮影した。着物はちょっと苦しいけど、かわいくなりたかったら我慢するしかないですね」とにっこり。
また、袴を着用したクオーターの玉寄さおりさん(22)=入間市=は「専門学校の卒業式に袴で出席したいと思っていたが、コロナで中止になり着ることが出来なかった。今回、着ることが出来て嬉しい」と喜んだ。