日高市、学校給食調理業務など民間委託 令和5年4月から
日高市は、令和5年4月から学校給食の調理業務などを民間委託する。委託業務は給食の調理、配送、回収、洗浄・保管などで、調理場所は従来通り学校給食センターで実施。献立の作成や食材の調達、食材の検収については従来通り市が行うとしている。
民間委託に合わせおかずを1品増やすなど給食内容を充実させるとともに、物価上昇などに対応しなければならないとして、学校給食費の改定も進めるとしている。
調理業務などの民間委託は、施設の設備の老朽化が進む学校給食センターの現状と課題、整備における基本理念や基本方針などを定めた令和元年度策定の「日高市学校給食センター整備計画」に基づくもの。
市によると、平成10年以降、正規職員の調理員は採用しておらず、多くの会計年度任用職員(調理補助員)により調理業務を行っており、残る正規職員も令和5年度にかけて順次定年退職を迎えることから、調理業務などの継続への支障が想定されるとして、今後も安心安全な学校給食を安定的に提供していくため、調理などの業務を先行して委託することにしたとしている。
委託にあたっては、業務の重要性を鑑み、高い専門性や安全性を確保するため、公募型プロポーザル方式(企画提案方式)により、市の要求する水準を満たし、本業務の実施にふさわしい事業者を選定。3月25日に住宅候補者が決定した。今後、委託事業者による従業員の雇用や研修などの準備を行い、来年4月から業務委託を開始する。
食材については、安全性が確認された食材を安定的に調達するため、市が納入事業者を選定して一括で発注・支払いを行い、献立はこれまで通り学校給食センターで作成し、市内小中学校同一の献立に基づいて給食が提供される。また、委託事業者が調理業務等を行う場所もこれまでと同様、学校給食センターとなる。
また、民間委託しても調理・配送業務以外の管理は市が行うため、市職員や市の栄養士(栄養教諭等)を引き続き学校給食センター内に配置。衛生管理やアレルギー対応は、国の基準や市の指導に基づいて行われるため、調理手順などについても、市の栄養士が委託事業者と事前に打合せをして作成した献立に従い、衛生的に行われているか日々確認する。
また、保健所などの立ち入り検査についても従来通り実施されるため、これまで以上に、複数の目によりチェックを行うとしている。
委託事業者の調理員については、業務責任者・業務副責任者・食品衛生責任者は、調理師等の資格を有する学校給食業務経験の豊富な常勤の正社員を配置。また、その他の調理従事者についても、できる限り学校給食業務に従事した経験のある者とし、採用時には十分な衛生管理等の専門的な教育を行う。
給食費の改定については、「調理業務等の民間委託によって学校給食費が変更となることはないが、これまで市では13年間学校給食費を据え置いてきたことから、民間委託の際には、おかずを1品増やすなどの副食の見直しや学校給食の内容を充実させるとともに、物価上昇や学校給食実施基準の改正などに対応しなければならないことから、学校給食費の改定も進める」としている。