谷ケ﨑市長が施政方針 5つの重点沿って予算編成
日高市議会(山田一繁議長)の3月定例会で、谷ケ﨑照雄市長は令和4年度に臨む施政方針を述べた。市の令和4年度一般会計予算案は187億9000万円で対前年比4・3%減。
谷ケ﨑市長は、コロナ禍の影響を受ける中、市民の健康・人口減少対策を優先してまちの活性化と経済の好循環を図るとし、5つの重点施策を示した。
市長の施政方針は次の通り。
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新年度に臨む施政方針を申し上げます。
国内で新型コロナウイルス感染症の感染が確認されてから3年目に突入しました。これまで市ではさまざまな感染症対策を講じて参りましたが、特に昨年5月から開始したワクチン接種につきましては、医療機関にご協力頂くとともに商工会との連携を図り10月には対象者の約85%の方が2回目の接種を終え、県内市町村の中でいち早く希望者への接種を完了することができました。
感染が拡大していく状況下において、多くの市民の皆さんが不安を感じ、早期にワクチン接種を希望する中、これに応えることが市民の生命を守り安心安全の確保につながることであると判断し、最優先に取り組んだ成果であると考えております。
また、昨年はオリンピック聖火リレーや市制施行30周年記念式典などの記念すべきイベントをコロナ禍の中、インターネットによるライブ配信など工夫を凝らし開催いたしました。
聖火リレーでは、地域の歴史的・文化的な魅力を生かした演出を行うことができる特殊区間として、高麗郡建郡の歴史を踏まえ、騎射文化になぞらえた乗馬による歴史ロマンあふれる聖火リレーを実施いたしました。
この模様は新聞各紙でも大きく取り上げられ、本市の魅力発信、知名度向上につながったと考えております。
そして、市制施行30周年記念式典では、タイムカプセルの開封や記念マンホール蓋の披露、健幸のまち宣言を行いました。
記念マンホール蓋は市内在住で「まんが日本昔ばなし」を長年にわたりご担当された作家・墨絵画家の又野龍也さんと「のだめカンタービレ」の作者である漫画家の二ノ宮知子さんにご協力頂き製作しました。新聞報道だけでなくSNSでも多く取り上げられ、日高市に訪れて頂く一つのきっかけづくりに寄与しているものと感じております。
「健幸のまち」宣言では、市制施行30周年を契機に、市民一人ひとりが健康づくりに取り組むことや地域の人と人とのふれあいによって健康を実感できるまちを目指していくことを宣言いたしました。
このように、今年しかチャンスがないという事業を新しい生活様式を取り入れて市民の皆さんとともに開催できたことは、とても有意義であったと考えております。
ワクチン接種の成果もあって新型コロナウイルス感染者は昨年末にかけて大きく減少し、明るい兆しが見え始めたかのように思えましたが、変異ウイルスであるオミクロン株の感染拡大により、収束への道筋はますます見えにくくなっております。
市内でも感染者数が増加しており、何としてもこれ以上の感染拡大を食い止めたい。このような思いから早期に3回目のワクチン接種ができるよう、現在、全力で取り組んでいるところでございます。
新型コロナウイルス感染症の影響により、全国の自治体はワクチン接種、事業者支援、生活支援、学校などの環境改善といった臨時的な支出が増加し、税収等は減少するという状況に加え、人口の減少という苦境に立たされており、地方財政にも非常に大きな影響を及ぼしています。
本市の状況も同様であり、国からこれらに対応するための財源として、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などが交付されておりますが、少なからず市の負担が生じており、税収等の減少も相まって財政運営が非常に厳しい状況であります。
地方は、国のように不足する財源を国債を発行して賄うことはできませんので、収支不足は基金の取り崩しにより補填することとなりますが、このようなことから財政調整基金の残高が激減した自治体が数多くあるとの報道もございます。
新型コロナウイルス感染症を災害として考えれば、まさに財政調整基金を取り崩し、財政出動を行うべき事案であると考えられるわけですが、このような状況が一時的なものでないのであれば、これを平時と捉えて収支改善を図っていかなければなりません。全国の自治体において市民サービスを縮小せざるを得ない、そのようなぎりぎりの選択を迫られている状況にあります。
このような状況下において、本市が優先すべき施策は、新型コロナウイルス感染症対応を含めた市民の健康、そして人口減少対策であると考えます。
そこで、令和4年度の予算編成にあたりましては、これらの優先すべき施策への効果的な財源配分に資するべく、5つの重点施策を掲げました。
一つ目は、誰もが活躍し続けられる労働環境と仕事をつくる「活躍支援・雇用の創出」。
二つ目は、本市の魅力を活用しにぎわいと新たなひとの流れをつくる「移住・定住の促進」。
三つ目は、子どもの笑顔があふれるまちをつくる「子育て支援」。
四つ目は、安心して住み続けられるまちをつくる「生活環境の充実」。
五つ目は、健康で生き生きと幸せに暮らすことができる「健幸のまちづくり」でございます。
これらの方針で編成いたしました令和4年度当初予算案は、一般会計が187億9000万円で、特別会計157億2363万1000円との合計額は345億1363万1000円となっております。
令和3年度の当初予算との比較では、一般会計が4・3%の減少、特別会計が0・04%の微減、合計では2・4%の減少となっております。
先に申し上げた通り、非常に厳しい財政状況で、財源の捻出が難しい状況でございますが、市民の健康と人口減少対策に力を入れることで、まちの活性化と経済の好循環が生まれ、地域課題の解決につながるものと考えております。
結びに、新型コロナウイルス感染症の対応に最前線で従事して頂いている医療機関や介護施設などのエッセンシャルワーカーの皆様をはじめ、市民の皆様、事業者の皆様のご協力に心より感謝を申し上げます。
また、市議会におかれましても、市の感染症対策に対するご理解と予算の専決等にご配慮頂いているおかげで、市が早期の対策を講じることができておりますことに対し、深く感謝を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、令和4年度の取り組みを進めるにあたりましては、議員各位ならびに市民の皆様のご理解が必要不可欠でございます。なお一層のご支援ご協力を賜りますよう心からお願い申し上げまして、令和4年度の施政方針とさせて頂きます。