新井市長初の当初予算編成 公共交通対策やホッケー場改修

飯能市は18日、令和4年度当初予算案を発表した。昨年8月に就任した新井重治市長にとって、初の当初予算編成。一般会計は295億円(前年度当初予算比2・0%減)となり、平成30年度以降の右肩上がりが初めて減額に転じた。

新規事業として、地域の足の確保に向けた新たな移動手段の導入に2600万円、久下六道線整備に2000万円、阿須運動公園ホッケー場改修に1億8000万円を計上した。

一般会計に、国民健康保険や笠縫土地区画整理など8特別会計と、水道事業・下水道事業の2企業会計を合わせた予算総額は539億9321万円(前年度当初予算比0・4%減)。

市の一般会計当初予算額については、平成29年度の328億円がピーク。30年度277億円までいっきに下降したが、以降、令和元年度290億5000万円、2年度298億円、3年度301億円と右肩上がりに転じ、4年度の予算編成では前年度比2・0%減となった。

一般会計の歳出歳出構成比は、民生費が39・1%で占められ、以下、総務費11・6%、土木費11・4%、公債費10・4%、教育費9・4%、衛生費8・6%、消防費4・4%、商工費2・8%、その他2・3%。民生費については、前年同期を約5億円上回って予算計上された。

新井市長は、「令和4年度予算編成にあたっては、私が市長就任後初めて編成する当初予算であることから、私の基本理念である『市民あっての市政』『市民のための市政』であると感じてもらえるまちへと躍進するため、地に足をつけた着実な市政運営に必要な予算を編成した」と説明した。

令和4年度の新規重点施策及び主な拡充事業は、次のとおり。かっこ内は予算額。

【新規事業】

▽ICT利活用による業務効率化(1091万2000円)=ビジネスコミュニケーションツールの導入、RPAの新シナリオを作成し、業務効率化、テレワーク、分散勤務体制を強化する。

▽マイナポータルと基幹系システムの情報連携(2129万6000円)=子育て関連15業務、介護保険関連11業務の手続きについて、マイナポータルと基幹系システムの情報連携のため、オンライン接続する。

▽地域の足の確保に向けた新たな移動手段の導入(2600万円)=原市場地区、南高麗地区における路線バス支線最適化に伴う新たな移動手段を導入する。

▽住民票の写しの交付等窓口の民間委託化(1887万6000円)=市民サービスの向上や業務の効率化を図るため、証明発行や異動等の窓口業務を民間委託化する。

▽第二区地区行政センター・保育所の耐震改修(1200万円)=耐震補強改修工事の設計を実施する。

▽産後1か月健診費用の助成(215万円)=産後1か月までに医療機関で実施する産婦への健康診査費用を助成し、切れ目ない子育て支援に活かす。

▽久下六道線の整備(2000万円)=居心地が良く歩きたくなる道路に改良するために、飯能駅前交差点から郵便局前交差点までの測量設計を実施する。

▽市営住宅全部管理代行への移行(7030万2000円)=市営住宅の効率的な維持管理及び市民サービスの向上を図るため、市営住宅維持管理について、全部代行に移行する。

▽飯能第一小学校施設整備の在り方の検討(1200万円)=飯能第一小学校の今後の在り方について、市民との対話により集約化、複合化を踏まえた基本計画を策定する。

▽ブックスタート絵本のプレゼント(27万7000円)=子どもに絵本を開く楽しい体験や絵本を介した親子の触れ合いを深める乳幼児向けのブックスタートを開始する。

▽阿須運動公園ホッケー場の改修(1億8000万円)=阿須運動公園ホッケー場の人工芝を改修し、ホッケーのまちづくりの拠点を整備する。

【拡充事業】

▽高等学校等通学補助金による負担軽減(700万円)=通学に路線バスを利用する世帯の負担軽減を図るため、補助手続きを簡素化し、補助対象の学校、路線エリア、補助金額を拡充する。

▽山間地域給水施設整備等補助金による負担軽減(600万円)=補助率の増加、下限額の撤廃等による未給水地域世帯の負担軽減を図ることで、飲料水の安定的供給を推進する。

▽子ども医療費無償化の対象年齢を18歳年度末まで拡大(2億2921万2000円)=子どもの保健向上と子育て家庭の経済的負担の軽減を図るため、18歳年度末までの医療費を無償化する。