「立春朝搾り」きょう搾り、味わう縁起酒 五十嵐酒造(飯能市川寺)

きょう搾りたての立春朝搾り。「春の訪れを共に祝いましょう」と五十嵐社長

 きょう4日は、立春。搾ったばかりの新酒で春の訪れを共に祝おうと、飯能市川寺の五十嵐酒造(五十嵐正則社長)では、春の訪れを告げる縁起酒「立春朝搾り」を今年も出荷する。

 立春朝搾りは、日本名門酒会が全国の協力蔵元に呼び掛け、地元の加盟酒販店と協力して行うイベントで、平成10年にスタート。

 今年は北海道から九州まで全国43蔵が参加する。五十嵐酒造は今年で17年目の参加となり、今回は約7000本を出荷予定。

 通常の酒は、仕込み具合を見ながら一番良い状態になったときに搾るが、立春朝搾りは立春当日に合わせて最高の状態で搾れるよう、「大吟醸より神経を使う」という杜氏泣かせの仕込みが行われる。

 搾り方も、通常の機械で行う方法と、味や香りがより際立つ「槽(ふね)搾り」の2つの方法を用いて半々でブレンド。解禁となる4日午前0時から瓶詰め作業が行われた。

 その後、川寺の神明神社の宮司から酒を造る人、届ける人、飲む人と立春朝搾りに関わるすべての人の無病息災、家内安全、商売繁盛、そして昨年に引き続き疫病退散の祈願を受けた。その後、各地域の酒販店が店へ持ち帰り、店頭に並べ、当日中に客の手元へ。

 例年であれば、早朝から蔵元に酒販店や問屋も集まりラベルを貼る作業などを行っていたが、こちらも昨年同様、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、蔵内での作業は行わず、各店が午前5時頃から受け取りに訪れる方法とした。

 搾ったばかりで、いっさいの火入れを行わない生酒で、原酒のまま。五十嵐社長は「本来なら蔵人しか味わえないフルーティーな香りと味わいを、ぜひ皆さんにも味わってもらい、春の訪れを感じてもらえたら」と話す。

 価格は、720ミリリットル1760円。販売は飯能市内のほか、近隣地域や都内などで販売されるが、同酒造での販売はないので注意。

 飯能をはじめ近隣地域の販売店は次の通り。

 ▽丸屋酒店(飯能市仲町、972・2754)▽コミュニティストアマスオカ(同市上畑、972・2810)▽増田屋分店(入間市豊岡、04・2962・7139)▽やないや(同市野田、04・2922・0426)