「はつらつ教職員」表彰 奥武蔵中の根岸教諭 いち早くオンライン授業確立
飯能市立奥武蔵中学校の根岸宏行教諭(35)が埼玉県教育委員会から令和3年度優秀な教職員「はつらつ教職員」として表彰を受けた。同校の岡野民嗣校長と共に飯能市役所で新井重治市長、中村力教育長に受賞を報告した。
同表彰は、公立小・中・高校・特別支援学校の教職員を対象に、意欲と情熱を持って学校教育活動に取り組み、他の教職員の模範となる教職員を表彰するもの。
根岸教諭は、「卓越した指導力に加え、GIGAスクール構想先進校研究主任として、環境整備やICT活用に貢献すると共に、新しい授業展開に果敢に挑戦し成果を挙げている」として県教委から高い評価を受けた。
同校は、吾野地区の小学校統合による小中一貫教育開始に伴い、前身の吾野中学校から奥武蔵創造学園奥武蔵中学校として平成31年4月に開校。GIGAスクール構想に基づき、全国に先駆けて同年10月に1人1台のタブレット端末を配布。
早い段階でICT教育の環境を整え、新型コロナウイルス感染拡大による臨時休業期間中も、タブレット端末を活用して双方向のオンライン授業を実施し、通常の授業に近い形で学習を進めることができた。
前身の吾野中時代から同校に勤務し5年目となる根岸教諭は、授業では数学を担当し、GIGAスクール構想先進校研究主任としてコロナ禍でのオンライン授業の方法を確立するなど、ICT活用の研究を進めた。
「パソコンやインターネットというのは本来苦手な分野だった」という根岸教諭だが、タブレット端末を有効に活用するため意欲的に取り組み、他校との中継や、修学旅行先と教室を繋いで中継するなどさまざまな場面で活用。「使い方を工夫していけば色々な可能性がある。子どもたちの関心もさらに伸びるのではないか」と話す。
表彰を受け、「子どもたちが楽しく過ごせて、学校に行きたいと思えるような環境づくりを心掛けている。一つでも多くのことを子どもたちに還元できるように今後も頑張っていきたい」と抱負を語った。
岡野校長は「ICTの分野では中心となり、さまざまな活用に積極的に取り組んでいる。数学の授業でも子どもたちの興味の引く題材を考え、常に工夫を続けている。フットワークが軽く、周りの教職員に頼りにされており、はつらつ教職員にふさわしい人材」と評価。
報告を受けた新井市長は「コロナ禍で市民生活が疲弊している中、このような素晴らしい報告を頂き嬉しい。根岸教諭の日頃の取り組みが高く評価され嬉しく思う。他の教職員の方々の模範となって頂けたら」と称えた。