大会沸かせた駿大駅伝部 有言実行、タスキつなぐ

駿大駅伝部

 2日、3日に開催された第98回東京箱根間往復大学駅伝へ初出場した駿河台大学駅伝部は、往路20位(5時間41分11秒)、復路15位(5時間32分31秒)の総合19位(11時間13分42秒)でレースを終え、全10区間を1本のタスキでつなぎ「最後までタスキをつなぐ」というチームの目標を達成した。

 飯能・日高では多くの市民がテレビの前で応援し、箱根路を力走する選手たちの姿に「感動した」「爽やかだった」との声が寄せられた。

 2日の往路は成長株の飯能南高校出身・清野太成選手(3年)が1区を務め、スタート直後の第1コーナーをトップで回り存在感をアピール。その後は集団に離され17位となり、2区ではケニア出身のブヌカ・ジェームズ・ナディワ選手が苦戦し19位と厳しいレースとなった。

 が、3区で町田康誠選手(3年)が区間12位の走りで持ち堪え、4区、5区では中学校教師を休学して箱根に挑んだ今井隆生選手(4年)と、今井選手が教師時代に教え子だった永井竜二選手(3年)との師弟コンビのタスキリレーが実現し、感動を呼んだ。

 翌3日の復路は一斉スタートとなったが、6区の小泉謙選手(3年)が区間3位となる見事な快走でチームを勢いづけると、7区の新山舜心選手(2年)、8区の出仙龍之介選手(3年)がいずれも区間15位と踏ん張り、繰り上げスタートを回避して9区の田尻健選手(4年)から最終10区の主将・阪本大貴選手(4年)へタスキをつなぐと、阪本選手は区間7位の力走でゴール。

 復路15位、総合19位でレースを終えた。

 アンカーを務めた阪本主将は満面の笑顔でゴールし、「楽しかったー」と一言。レース後のインタビューで「最後までタスキをつなげるのが目標だったので、しっかりと達成することができて良かった。スタート前は不安もあったが、みんなの思いが詰まったタスキを受け取ってからは本当に気持ち良く走ることができ、楽しんだ。最後の1キロで、監督から、“お前をキャプテンにして良かった”と言ってもらえて本当に嬉しかった」と語った。

 大学時代、法政大学のエースとして箱根で活躍し、監督就任10年目でチームを初出場に導いた徳本一善監督は本紙取材に、「監督としての初出場を楽しみ尽くした」と話し、「コンディションの良くない選手もいたが、トレーナーもしっかりやってくれて、入念な準備のおかげで全員が走り切ることができた」とチーム一丸となってのタスキリレーを振り返った。

 地元の声援に対し、「たくさんの激励のメールや電話を頂いた。飯能市を盛り上げたい、市民に応援されるチームにしたいと思ってやってきた。多くの方に箱根路を走る選手の姿を見て頂き、本当に嬉しい」と感謝。今回の経験を生かし、「連続出場、そして上位を狙えるようなチームになれるよう今後も頑張りたい」と展望を語った。

 出場選手の区間記録は次の通り。

▽1区(21・3キロ)=清野太成(3年)区間17位(1時間3分20秒)

▽2区(23・1キロ)=ブヌカ・ジェームズ・ナディワ(4年)区間19位(1時間10分19秒)

▽3区(21・4キロ)=町田康誠(3年)区間12位(1時間3分35秒)

▽4区(20・9キロ)=今井隆生(4年)区間20位(1時間6分58秒)

▽5区(20・8キロ)=永井竜二(3年)区間20位(1時間16分59秒)

▽6区(20・8キロ)=小泉謙(3年)区間3位(58分47秒)

▽7区(21・3キロ)=新山舜心(2年)区間15位(1時間5分26秒)

▽8区(21・4キロ)=出仙龍之介(3年)区間15位(1時間6分56秒)

▽9区(23・1キロ)=田尻健(4年)区間18位(1時間11分11秒)

▽10区(23キロ)=阪本大貴(4年)区間7位(1時間10分11秒)