市議会臨時会で可決 事業所へ二酸化炭素濃度測定器 新型コロナ第6波に備え
日高市議会(大澤博行議長)臨時会が6日開かれ、谷ケ﨑照雄市長から提出された令和3年度一般会計補正予算が可決された。
国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した事業に関するもので、第6波に備えて自宅療養者に緊急に貸し出す酸素濃縮器の確保、飲食店など事業所へ換気の徹底に活用する二酸化炭素濃度測定器の設置、学校と自宅での同時双方向型の授業に活用するため市内小中学校に計74台の大型ディスプレイを設置するなどの予算が盛り込まれた。
谷ケ﨑市長は開会挨拶で「先日、国から交付額が示された新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金事業者支援分を財源とする、新型コロナ感染症により経済活動に影響を受ける事業者への支援並びに感染症対策の強化に関連する各種事業費を計上した補正予算。緊急かつ重要案件」と述べた。
金子昭副市長が提案説明、齋藤忠芳議員(自然エネルギーの会)、佐藤真議員(共産党)、田中まどか議員(みんなの会)が質疑を行い、執行部が各事業の詳細を答えた。
地域公共交通臨時支援事業(411万円)については、昨年度に引き続き、市内に営業路線のあるバス事業者、市内に営業所のあるタクシー事業者に対し、事業継続にむけ臨時支援金を追加するもの。
バス事業者には基本額15万円、バス路線にある停留所1か所につき5万円を加算した額を支援し、5事業者で合計51停留所330万円。また、タクシー事業者には基本額15万円、登録車両1台につき3万円を加算した額を支援、2事業者で合計17台81万円を支援する。
自宅療養者支援事業(157万5000円)については、新型コロナ感染症の第6波に備え、自宅療養者に緊急に貸し出す酸素濃縮器等の確保に係る経費を追加。
酸素濃縮器、携帯用酸素ボンベをそれぞれ4台確保し、酸素濃縮器は、委託により、医師から酸素濃縮器の使用が必要との診断を受けた自宅療養者の自宅へ酸素濃縮器を届けるとともに、酸素量の設定と機器の操作方法を説明、使用後は機器を回収し、消毒及び点検を実施するなどして次の貸し出しに備える。
事業所感染症対策支援事業(1837万3000円)については、希望する市内事業所に対し二酸化炭素濃度測定器を配布、また、県から感染症対策取組店として認証を受けた市内の飲食店に対し、告知用のぼり旗等を配布する。
換気の徹底に活用する二酸化炭素濃度測定器は、市内全事業所を対象に、約1800事業所のうち約半数の事業所からの希望を想定し、900台の購入を予定。二酸化炭素濃度、気温、湿度を測定し、スマートフォンなどと連携し通知や履歴が確認できるものを予定。
「空気中の二酸化炭素濃度が上がるということは、換気が不十分であり感染リスクが高くなっていることから、すみやかに察知し適切に換気することで感染リスクを下げることになる。事業主が遠隔地からでも状況を確認できると共に、過去の履歴も確認でき、どのような状況、時間帯で濃度が変化しているかを確認することで、その後の対策を立てやすくなる」とした。
県の感染症対策取組店の認証を受けた飲食店の支援については、現在、認証を受けている店舗が110店舗あり、今後増加することも想定し、250店舗に告知用のぼり旗等を配布できるよう計上した。
観光事業者臨時支援事業(210万円)は、移動の自粛等による旅行者の減少により影響を受けた市内に事業所がある旅行業届出事業者及び一般貸切旅客運送業者に対し、事業支援に向け臨時支援金を追加するもの。
県に登録されている旅行業事業者4社、関東陸運局での許可を受けている一般貸切旅客自動車運送事業者3社の計7社に1社あたり30万円の支援を行う。
教育の情報化事業(1550万円)については、分散登校やオンライン授業を組み合わせたハイブリッドな学習環境を整備するため、必要な遠隔授業用大型ディスプレイを小中学校に設置する。
ディスプレイ設置は自宅にいる児童生徒と学校をオンラインで繋ぎ、同時双方向型の授業での活用を想定し、学習用タブレット端末のWebカメラやマイクを使って、教室で行われる授業に画面越しに参加する。
一方、大型ディスプレイを設置した教室では自宅にいる児童生徒の様子が映し出されるため、ほぼ対面に近い授業を展開することができる。市内小中学校に合計74台の大型ディスプレイを設置し、既存のディスプレイやテレビ等を含め通常学級と特別支援学級の全ての教室に大型表示装置の設置が完了する。