国道407号鶴ヶ島日高バイパス一部開通 渋滞緩和、圏央道アクセス向上

開通を祝いテープカットを行う関係者

 日高市と鶴ヶ島市を結ぶ国道407号鶴ヶ島日高バイパスの一部が12日に開通し、同日、関係者による開通記念式典が日高市森戸新田の道路敷地内で行われた。

 今回開通したのは森戸新田から鶴ヶ島市高倉までの1・3キロ。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開通記念式典は規模を縮小し、財産提供者への感謝状贈呈、テープカット、車両による「通り初め」などが行われた。

 国道407号は、栃木県足利市を起点に、群馬県太田市を経由し埼玉県入間市に至る延長60・7キロの幹線道路。埼玉県内では、圏央道、国道16号、国道254号、国道140号とネットワークを形成し、県西部地域や県北部地域を支える重要な役割を果たしている。

 日高市と鶴ヶ島市を結ぶ区間は、江戸時代に植えられたスギなどの並木が続く「日光街道杉並木」の中を通り、2車線(片側1車線)道路を拡幅することが困難なため、渋滞の原因となっていた。

 鶴ヶ島日高バイパスは、渋滞緩和や、圏央鶴ヶ島インターチェンジへのアクセス向上、杉並木の保全などを目的に延長2・8キロ、幅員25メートル、4車線(片側2車線)で計画され、平成21年から調査に着手、用地取得、工事を進め、今年3月に日高市内の高萩北杉並木交差点から北へ900メートルが開通。

 その後の工事進捗により、日高市内は全て開通し、今回、鶴ヶ島市を跨ぐ約1・3キロ区間の供用を開始した。残る区間は鶴ヶ島市内の600メートル。

 開通記念式典には、飯能県土整備事務所の鈴木水弘所長、谷ケ﨑照雄日高市長、齊藤芳久鶴ヶ島市長、日高市選出の小谷野五雄県議、鶴ヶ島市選出の長峰宏芳県議をはじめ、両市議会の正副議長、自治会長、財産提供者、警察や交通安全団体関係者などが出席。

 鈴木所長は「本来、地元の方々を大勢お招きし、盛大に開通をお祝いする予定だったが、新型コロナ対策として緊急事態宣言が発出される中、規模を最小限に縮小させて頂いた」とした上で、「鶴ヶ島日高バイパスは、市街地の慢性的な渋滞の解消、圏央鶴ヶ島インターへのアクセス向上、災害時における緊急物資の輸送路としての役割、沿線の企業誘致にも大きな効果を発揮するものと期待されている。今回の開通を弾みに、鶴ヶ島市内において圏央鶴ヶ島インターにつながる市道の4車線化、高倉天神交差点までの全線開通に向け、引き続き整備を進めていく」と述べた。

 日高市の谷ケ﨑市長は、「市内の日光街道杉並木は歴史を感じる路線だが、片側1車線のため慢性的な渋滞が発生し、市民生活や地域経済に多大な影響を及ぼしている状況だった。今回の開通により、日高市内の整備予定区間は全線開通となった。圏央道とのアクセスが一段と強化され、沿線自治体から県内外への移動が一層容易となり、住民の利便性向上や経済活動の活性化が大いに期待される」。

 小谷野県議は「このバイパスについては、何度も一般質問し県に訴えさせて頂いた。総事業費は2・8キロで69億円。日高分の2・2キロに関しては48億円という大きな予算を投入している。歩道についても幅員が4・25メートルあり、歩行者と自転車が安全に通行できる。道路ができるということは、地域の発展につながる。鶴ヶ島市ともより深い絆ができるのではと考える」と述べた。

 登壇した関係者は、用地提供を行った土地所有者に感謝を述べ、財産提供者を代表して吉野孝彦さんへ鈴木所長から感謝状が贈呈された。

 その後、バイパス上でテープカットや交通安全を祈願しての「お清め」、関係者を乗せた車両が一列になり通り初めが行われた。