川寺地内で「曳家」 70トンの民家40メートル移動
家を解体することなくそのままの姿で別の所へ移動させる「曳家」が、飯能市川寺地内で行われた。区画整理事業に伴うもので、双柳の鳶奈良(奈良広次社長)が工事を担当し、10日、12日の2日間で70トンもの民家を約40メートル移動させた。
今回曳家を行ったのは、70代の夫婦が住む木造2階建ての30坪の建物。耐震の関係により、2016年に建て替えたばかりということもあり、今回、曳家を選択した。昨年4月から地質調査などが入り、12月に移動先へ基礎を打った。
今年1月下旬からは移動する家の土台の下に鋼材を入れジャッキアップして民家を浮かせ、今月10日には北へ30メートル動かす作業が行われた。レールの上を慎重に30分かけて移動させ、12日には、東へ10メートル動かし、16日に基礎の上へ下ろした。
工事を手掛けた奈良社長は、「最近では、こんな距離を曳くのは珍しいこと。お客さんの大切な財産なので、丁寧な作業を心がけている」と作業の指示を出していた。
夫婦は、「今回無事に家が移動し、一区切りついたような気持ち。とても丁寧に作業して頂き、本当に感謝している。自分たちの家が移動する光景をみて、今の技術はすごいと感動した。新鮮な気持ちで生活が始められそう」と話した。