路線バスで自動運転実証実験 西武バスら今月23日から
西武バス(株)(埼玉県所沢市、渡邊一洋社長)は、今月23日から遠隔監視システムを活用した大型バスによる自動運転の実証実験を飯能駅南口と美杉台ニュータウン間で行う。
通常の営業運行をしている大型車両の路線バスと同じ運行形態で、自動運転の大型バスも運行するもの。
群馬大学より発足したベンチャー企業の日本モビリティ(株)(前橋市)の協力のもと実施するが、路線バスの大型車両を使用した既存路線での実証実験は国内初の試みという。
西武バスは、昨年2月に群馬大学(前橋市)と自動運転技術に関する共同研究契約を締結し、研究を進めてきた。
今回の実証実験では、 不測の事態に備え、運転席に乗務員が着席するが、アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作が西武バス飯能営業所(美杉台)から遠隔操作される。バスは利用者の有無に関わらず、各停留所に停車する。
実施場所は、飯能駅南口から美杉台ニュータウン間の片道約2・5キロメートル。実施日は、2月23日(火・祝)、25日(木)、28日(日)、3月1日(月)、3日(水)、5日(金)、7日(日)の7日間。
いずれも午前と午後各2便の運行で、通常のバスより低速運行となるため、所要時間が多くかかると想定されている。運賃は現金180円、ICが178円。
この自動運転実証実験で使用するバスについては、安全面を考慮し、乗客は必ず着席した状態で運行する。このため、乗車定員が設けられており、混雑防止や乗客がスムーズに利用できるよう、各便に整理券が発行される。
整理券については、WEB限定の受付となり、全便今月7日正午に発行開始する予定という。自動運転のバスには整理券を所持している人が優先で乗車でき、整理券発行終了時で満席の場合は、整理券を持っていない人は乗車不可。
群馬大学は、次世代自動車産業振興に資する産学官金連携イノベーションの拠点形成を目指し、平成28年12月に「研究・産学連携推進機構次世代モビリティ社会実装研究センター」を設置。
これまで、関連分野の企業や自治体との連携・協力関係のもとに、地域社会に根付く自動運転による移動サービスの創出に向けた研究と社会実装を目指す活動を進めてきた。昨年7月には研究成果を活用する日本モビリティを創出した。
日本モビリティは、自動運転の社会実装を目指した研究開発・実証実験を実施してきた群馬大学の小木津准教授の持つ経験やノウハウを用い設立した大学発のベンチャー企業。
同准教授が長年蓄積してきた経験やノウハウをもとに、業界初の「無人移動サービス導入パッケージ」を構築し、自動運転の社会実装及び無人移動サービスの導入を支援している。無人移動サービスをより広く導入できる環境を整備し、自動運転技術を活用した安全・安心・快適なまちづくりへ貢献することを目指している。
実証実験のバスに乗車するための整理券の受取方法及び乗車時の注意事項等については、西武バスのホームページへ。https://www.seibubus.co.jp/