新型コロナ 「リモート窓口」の利用推進 出張所と本庁担当課つなぐ
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、日高市は、昨年11月に高麗、高萩、高根、武蔵台の市内4か所の出張所にタブレット端末を設置し、出張所に来所した市民と本庁舎の担当職員がビデオ通話アプリを通してやりとりが可能な「リモート窓口」を開設した。
市は従来の電話対応と比較し、画面を通して市民と職員が直接やりとりをすることで、きめ細やかな窓口対応や、申請書類の記入間違いを防ぐなどのメリットがあるほか、出張所で用件を済ませやすくすることで、市役所へ足を運ぶことが減少し、本庁舎への密集を避けることができるとして利用を推進している。
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用しての事業。出張所窓口でのリモート活用は、県内でも珍しい取り組みという。
同事業を担当する市民課によると、各出張所では証明書の交付や異動の届け出をはじめ約70項目にわたる事務を扱っており、出張所に来所した市民からの相談や問い合わせには、込み入った内容により本庁の担当職員から直接説明が必要な場合も多くある。
そうした場合、従来は出張所と本庁の担当職員の間で電話でのやりとりが中心だったが、タブレット端末を使用し、来所者と担当職員が互いに顔が見える環境で対話をすることで、よりきめ細やかな窓口対応を図り、多種にわたる申請用紙の記入内容を画面を通じて確認することで、記入間違いを防ぐことができるとしている。
タブレット端末は10インチ画面で、ヘッドセットマイクが付属。4か所の出張所の窓口をはじめ、出張所で取り扱う業務の関係課となる本庁の危機管理課、税務課、収税課、環境課、市民課、子育て応援課、長寿いきがい課、保険年金課の8課に各1台、計12台が設置されている。
出張所を訪れた利用者が手続きを行う際、本庁の担当職員から直接説明が必要な場合、出張所の職員が案内の上、タブレットを使って担当職員と利用者をつなぐ。各出張所では11月2日の開設から12月末までの間に計29件の利用があったという。
このほか、出張所を訪れ目的地までの道を尋ねる人も多く、そうした際には出張所職員がタブレットのマップのアプリを使うことで分かりやすく案内したり、外国人へ説明を行う際には翻訳機能を活用するなど、活用の場面が広がっているという。
利用者のプライバシー保護については、出張所ではリモート窓口利用者のプライバシーが適切に保護できるよう相談場所の移動、ヘッドセットマイクの利用など、会話内容が他の来所者に聞こえないよう配慮。
一方、本庁舎側で相談を受ける職員についても、タブレット端末使用時に周囲の個人情報が写り込んだり、周囲の会話が聞こえたりしないよう、個人情報が外部に漏れることがないように対応に配慮しているとしている。
リモート窓口に関する問い合わせは、日高市市民課989・2111へ。